デイリー・アップデート

2026年9月30日 (水)

[コロンビア/4条協議を要請] 

2026年9月28日、コロンビア政府は国際通貨基金(IMF)に対し、通常は年1回実施される「第IV条協議」を前倒しで行うよう正式に要請した。

現時点でコロンビアはIMFに対して融資を申請しておらず、政府発表やIMFの説明でも、新たな融資制度や支援額については公表されていない。ただし、一部報道によれば、双方は資金調達の可能性についても意見交換を進めているとされる。

背景には、コロンビアの厳しい財政状況がある。中央政府の財政赤字は2025年にGDP比6.4%となり、2024年の6.7%からわずかに改善した。しかし、利払い費を除いた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はGDP比2.4%から3.5%へ拡大しており、財政基盤の弱さが依然として課題となっている。

財政規律を監視する独立機関である財政ルール監視委員会は、2027年の財政赤字がGDP比約10%、純債務残高がGDP比67.3%に達する可能性があると警告している。コロンビアの財政ルールでは、純債務の目標水準をGDP比55%、法定上限を71%と定めているが、政府は2025年に例外条項を発動し、同ルールの運用を一時停止した。ただし、この措置は2027年までで終了するため、政府には大幅な財政再建が求められている。

信用格付けにも財政への懸念が反映されている。フィッチ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングは、すでにコロンビアを投資適格未満に格付けしている。一方、ムーディーズは最低水準の投資適格級である「Baa3」を維持しているものの、財政ルールの停止措置をリスク要因として指摘している。

一方で、2026年7月までの税収は前年同期比10.4%増となり、歳入面では一定の改善がみられるほか、通貨ペソ高の影響により対外債務のGDP比率は低下し、債務構成も以前より安定しているなど好材料もないわけではない。しかし、短期国債への依存度上昇や政府の現金残高減少など、資金繰り面には引き続き注意が必要となっている。

政治的には、2026年8月に発足した新政権は、現在の財政難は前政権から引き継いだものだと主張する。一方、ペトロ前大統領は、財政悪化の責任を否定し、燃料補助金政策などの特殊要因が影響したと反論している。独立委員会は、前政権による財政ルール停止を批判しつつも、新政権がより現実的な財政見通しを示した点については評価しているが、現在示されている財政再建計画だけでは十分ではないとの見方を維持している。IMFによる独立した評価を受けることで、国内外の投資家に対して財政健全化への姿勢を示せるかが試されている。(国際部 小橋啓)

[ネタニヤフのUAE秘密訪問の波紋] 

イスラエルのネタニヤフ首相は9月27日、事前発表なしでUAEを訪問し、ムハンマド・ビン・ザーイド大統領と会談した。訪問はイスラエルの民放チャンネル12が最初に報じ、28日にはUAE国営通信も確認した。イスラエル首相官邸によると、ネタニヤフ氏は妻とともに大統領の招待を受けて訪問し、会談にはモサド長官や国家安全保障会議の責任者らも同席した。両首脳は、二国間関係の強化と地域情勢について協議したとされる。会談時間は約1時間とされ、イランへの対応が主要議題の一つだったとみられる。

 

イスラエルとUAEは、2020年のアブラハム合意による国交正常化以降、安全保障面での協力を深めてきた。一方、今回の訪問には、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃をめぐる疑惑への対応という側面も指摘されている。イスラエル紙『ハアレツ』は9月初旬、ムハンマド大統領が攻撃の約10日前、当時のハマス指導者ヤヒヤ・シンワルが大規模な行動を準備しているとネタニヤフ氏に警告したと報じた。また、エジプトの情報機関トップも攻撃前にイスラエルを訪問し、ガザからの攻撃が差し迫っている兆候があると警告したと伝えられている。これらの警告をネタニヤフ氏が無視、または軽視したのではないかとの疑惑は、総選挙を約1か月後に控えたイスラエルで大きな波紋を広げている。

 

AP通信などは、ネタニヤフ氏が今回の訪問で、事前警告を行ったとの報道をUAE側に否定するよう求めたと伝えた。これに対し、首相官邸は報道を「フェイクニュース」と否定し、訪問の目的は両国関係の強化と地域課題への対応だったと主張している。UAE側も過去の首脳間のやり取りについて明確に説明しておらず、報道の否定要請が訪問の主目的だったと断定することはできない。

 

ネタニヤフ氏は29日、事前警告を受けていたとの報道をめぐり、『ハアレツ』やチャンネル12などのメディアと記者らを名誉毀損で提訴した。一連の報道は、「安全保障に強い指導者」というネタニヤフ氏の評価を揺るがしている。世論調査では反ネタニヤフ陣営が議席数で優勢と予測されているものの、安定した連立政権を樹立できるかは不透明である。今後は、事前警告の実態がどこまで解明され、10月7日の攻撃前後における政府の対応を検証する独立調査委員会が設置されるかが問われる。一連の疑惑が約1か月の総選挙で有権者の判断にどのような影響を及ぼすかも、イスラエル政治の行方を左右する要因となる。(国際部 広瀬真司)

[米国/原油備蓄放出] 

米エネルギー省(DOE)は9月29日、戦略石油備蓄(SPR)から最大4,000万バレルを放出する入札を発表した。3月に国際エネルギー機関(IEA)加盟国が決定した4億バレル超の協調備蓄放出で、米国が約束した1億7,220万バレルのうち未消化分の約3,850万バレルを埋める、事実上の最終トランシェとなる。入札期限は10月6日。

今回の放出について、クリス・ライト・エネルギー長官は、IEA協調備蓄放出と市場安定化へのコミットメントを主導するものと説明したうえで、「米国と日本はコミットメントを果たしているが、欧州の一部加盟国は約束した原油・石油製品備蓄のごく一部しか放出していない」と批判した。また、米国のSPR放出は売却ではなく交換方式で、民間企業に原油を貸し出し、後日プレミアムを上乗せして返還させる形で行われている。これまでの5回の入札で成立した約1億3,300万バレル超のリースについて、返還プレミアムは平均約25%だったとして、備蓄補充への配慮もアピールしている。

ただ、4月上旬に行われた2度の入札では募集に対して8割超が成約したのに対し、4月下旬の入札では成約率が低下した。直近では、6月の第5回入札は4,000万バレルの募集に対し、成立はVitol向け50万バレル程度にとどまり不調だった。当時は、ホルムズ海峡の通航改善や原油先物の逆鞘縮小といった市場環境の下で、交換に応じる経済性が悪化したためとみられる。足元では中東情勢や市場環境も変化しており、今回どこまで応札が集まるかが注目される。

米エネルギー情報局(EIA)によると、9月18日時点のSPR在庫は2億8,455万バレルと1982年以来の低水準で、今回全量が成立すれば単純計算で約2億4,500万バレルまで減少する。

一方、課題は在庫量だけではない。米国のSPR原油は地上タンクではなく、地下の岩塩ドーム内の原油貯蔵用空洞で貯蔵されている。米政府監査院(GAO)は6月、低在庫や設備老朽化、改良工事に伴う設備停止などにより、2025年末のSPR払出能力は設計値の61%(日量441.5万⇒270万バレル)、受入能力も56%まで低下していたと指摘した。緊急時の供給余力を考える上では、備蓄量だけでなく、実際にどれだけ速く市場へ供給できるかも重要となっている。(経済部 鈴木直美)

[米国/AIとインフレ事情] 

AIがインフレを押し上げるのか、それとも抑えるのか。米連邦準備制度理事会(FRB)内でも評価は一様ではないようだ。違いを理解するポイントは、AI投資の「現在」と、生産性向上が実現する「将来」となる。
短期的には、AIはインフレ圧力を強めていくおそれがある。FRBのリサ・クック理事は9月28日の講演で、AI関連投資が半導体、コンピューター、ソフトウェアだけでなく、データセンター建設、電力、建設労働などへの需要を急速に増やしていると指摘した。特にデータセンターは大量の電力や設備を必要とし、他産業と同じ資源を奪い合うことでインフレを加速させる。企業が発表しているAI投資計画の多くはまだ実行途上であり、投資拡大が続けば供給能力が追いつくまで価格上昇圧力が残る可能性がある。
いまのAIブームは、クラウド上のソフトウェアだけでは完結しない。データセンター、送電網、発電設備、半導体工場など大量の実物資本を必要とする。このためAI投資は、少なくとも導入初期には、設備、人材、電力を巡る競争を強める「需要ショック」として作用する面がある。
一方、中長期になると話は別で、評価が逆転する可能性もある。FRBのクリストファー・ウォラー理事などは、AI投資が将来的な生産性向上につながる点をより重視している。AIによって同じ人数、設備、時間からより多くの財やサービスを生み出せるようになれば、単位当たりの生産コストは低下する。企業が価格を引き上げなくても利益を確保できる余地が広がり、インフレを抑える力になるとしている。
さらにAIは消費者側の行動も変える可能性がある。AIエージェントが商品や保険、通信、金融サービスの価格を自動比較し、より安いサービスへ容易に乗り換えられるようになれば、企業は顧客の「比較する手間」から得ていた価格決定力を失う。競争が強まることで、AIは供給能力の向上とは別の経路からもディスインフレを促す可能性についても指摘が増えてきた。
FRBにとって難しいのは、この二つの時間軸が同時に存在することである。AIがもたらす将来の生産性向上を期待しながらも、足元では投資ブームによる資源不足と価格上昇を無視できない。AIとインフレの関係を考える際には、「AIは物価を上げるか下げるか」ではなく、どの段階で、どの経路を通じて物価に影響するのかが重要になってくる。(経済部 本間隆行)

[英国/EUとの関係] 

(1)演説の概要と基本的背景
バーナム首相は、9月29日、リバプールで開催された労働党年次党大会において、党首就任後初となる演説を行った。バーナム首相は、長年英国政治を停滞させてきた構造的課題に対処するため、対EU関係、社会介護、年金制度、選挙制度、水・公益事業の規制改革など多岐にわたる中長期的な改定方針を表明した。


(2)対EU関係の再構築
バーナム首相は「ブレグジットは益よりも害の方が大きかった」と述べ、英国最大の貿易相手であるEUとの長期的な関係について明確な戦略を確立することが成長と繁栄を取り戻すために不可欠であると強調した。2026年11月ごろに予定されている英EU首脳会談に合わせて、英国とEUの将来関係に関する「異なる複数の選択肢」を党および国民に提示し、合意形成を目指す意向を明らかにした。

 

(3)バーナム首相および国民のEUに対する姿勢
バーナム首相は過去にEU再加盟を支持していたが、首相就任以降は態度を軟化させており、現在は再加盟そのものを直接主張しているわけではなく、2016年の国民投票結果を尊重する姿勢を示している。2026年6月に実施されたYouGovの世論調査では、有権者の55%がEU再加盟を支持(反対は34%)、59%が完全な再加盟や単一市場・関税同盟復帰を伴わない形での関係強化を支持している。地政学的側面では、ロシアの脅威増大や対米関係を受け、英国は欧州共同防衛投資プログラムへの参入などを推進している。


(4)政治的波紋と反発
この動きに対し、保守党のバデノック党首は「ブレグジット戦争の再発」と批判し、右派政党リフォームUKのタイス副党首は「裏切りだ」と強く反発した。また、労働党内でもレイノルズ・ビジネス相らが再加盟議論の再燃に懸念を示している。(国際部 濱嵜隆吏)

[南アフリカ/利上げ] 

9月23日、南アフリカ(南ア)準備銀行(SARB)は金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を7.00%から7.25%に引き上げた。利上げは2会合ぶりとなった。委員6人の全会一致により利上げが決定された。


SARBはインフレ目標を3%±1%としているが、8月のインフレ上昇率が4.4%と目標の許容範囲を超える水準で推移している。SARBは、インフレ率について、燃料価格の高止まりなどを受けて、2026年第4四半期~2027年第1四半期にかけて5%を上回った後、2027年末までに目標値に向かって低下していくと予測している。世界的なインフレ傾向により、日米欧などの先進主要国で利上げが相次ぐ中、金利差を維持するためにも利上げに踏み切った形だ。なお、SARBは2026年の南アの実質GDP成長率予測を1.4%から1.2%に引き下げたが、2029年までに2%成長に回復するとの見通しは据え置いた。


9月23日に南ア統計庁(Stats SA)が発表した2026年8月のインフレ上昇率は4.4%で、前月の4.3%から小幅に上昇した。好天による豊作や口蹄疫からの回復を受けて、「食品・非アルコール飲料」のインフレ率は1.1%と低水準を維持しているが、燃料価格の上昇を受けて「交通」分野のインフレ率は8.8%と高止まりしている。また、財政難に苦しむ地方自治体による公共料金の引き上げにより、電力や水道のインフレ率も7%台と高い。SARBはベースライン予測として、2026~2027年に主要先進国が50bp利上げすると見込んでおり、この場合、SARBは100bpの利上げを行うと想定している。金利差を適正範囲に保たなければ、自国通貨安が進み、輸入価格の上昇を通じてさらにインフレが加速しかねない。しかし、大幅な利上げを行えば、個人・企業の消費・投資意欲を減退させ、経済の悪循環を招く可能性がある。


南アの大手銀行Nedbankは、インフレの上振れリスクとして、エネルギー価格ショックの継続、世界的なインフレの拡大、先進国での金融引き締め、それに伴う安定資産への資本流出と通貨ランド安の進展、そしてエルニーニョ現象が食料価格に及ぼす影響などを挙げている。南部アフリカでは、2026年10月~2027年2月にかけてエルニーニョ現象が発生する確率が高いとみられており、高温・少雨傾向が予測されている。同行は、エルニーニョ現象について、地下水や貯水池の水位が良好なことに加え、国内・世界の食料備蓄が潤沢なため、その影響は一部緩和されるが、予想より深刻化した場合は食料インフレ圧力となるとの見方を示している。

また、根本的なインフレ対策はSARBによる金融政策だけではなく、政府による対策強化が必要だと指摘している。具体的には、原油・石油精製品の輸入先の多角化のほか、石油の戦略備蓄の再構築、電力・水道インフラの整備や低コスト化による精錬業の復活などを通じた生産性向上を政府が主導する必要があるとの見解を示している。
(国際部 髙橋史)

 

 

[タイ/洪水の影響] 

タイでは、9月26日から28日にかけて南西モンスーンの影響を受けて24時間で100~200mmの大雨が発生。これによりバンコク首都圏をはじめ、全国48都県で大規模な冠水・浸水が発生した。アヌティン首相は28日、内務省や財務省などの関係機関との緊急会議を開いた。その後、洪水対策費として40億バーツを確保したと発表している。

 

洪水により、バンコク中心部の飲食・宿泊・観光業を中心に影響が生じている。またバンコク中心部以外においても幅広い産業に影響が生じている。スワンナプーム空港およびドンムアン空港では手荷物の仕分け作業などに従事する地上スタッフが道路の冠水により通勤できず、地上業務に支障が生じた。これを受け、タイ国際航空では59便以上の欠航や300便を超える遅延が発生したほか、29日には運航便数を一時的に約30%削減すると発表した。

 

製造業、特に東部経済回廊(EEC)の工業地帯に関し、局地的な冠水は確認されているものの、現時点で工業団地の大規模な生産停止は報告されていない。そのため、産業部門への影響は比較的限定的と考えられる。なお、一部の日系企業は工業団地周辺や社員の通勤路の冠水を受けて操業を停止したほか、安全確保から社員の出社を控えるよう要請しているもよう(NNA、2026年9月30日付記事)。またホンダは28日、社員の出社が困難であることなどを受けバンコク東部に位置する二輪工場の生産を一時停止している(Nikkei Asia、2026年9月29日付記事)。

 

なお今回の洪水は、2011年7~11月に発生した大洪水と比べ、人的・経済的被害は限定的になるとの見方が濃厚だ。2011年の洪水では人的被害では被災者230万人・死者は800人を超えたほか、損失額は約7,950億バーツ(GDP比7%)に達した。中でも製造業の損失額が約4,900億バーツと全体の約6割を超えている(世界銀行、2012年)。他方で今回洪水での死者は30日時点で23人にとどまるほか、タイ商工会議所大学によると経済的損失額は122.8億バーツ(GDP比0.1%未満)程度にとどまると試算されている(The Nation、2026年9月28日付記事)。

 

今回の洪水の損失規模自体は2011年よりも小さいものの、今後の経済活動回復ペースは2011年当時に比べ緩やかになるとの懸念もある。今回の洪水は、直接的な損失に加えて家計・企業のマインド・景況悪化を通じて間接的に消費・投資を抑えることが懸念される。2011年第4四半期の実質GDP成長率は▲4%まで低下したが、その後は民間消費の回復が奏功し、2012年第1四半期には2.9%まで回復した。当時は家計の債務がGDP比66%と現在より低水準にとどまっており、実質GDP成長率も約4%と高かった。また政府の景気刺激策(ファーストカー減税など)も消費の後押し要因となった。今回の洪水により、実質GDP成長率は2.4%から2.1%まで0.3ポイント低下すると見込まれている(The Business Times、2026年9月28日付記事)。他方、直近の家計債務GDP比は87%と高止まりしており、民間消費の抑制要因となっている。また公的債務GDP比は7月時点で67.5%と、法定上限であるGDP比70%に迫る水準となっているため、政府としても大規模な民間消費刺激策を打ち出しにくいと考えられる。

 

タイの第2四半期実質GDP成長率は1.9%と、ASEAN5諸国の中でも実質GDP成長率が最低水準となっている。直近では中東情勢悪化による観光業低迷が下押し要因となっている。経済成長が停滞するなかで、今回の洪水とそれによる景況感悪化が成長のさらなる下押し要因となりかねない。(国際部 土田慧)

[米国/求人件数はやや減少] 

労働省の「雇用動態調査(JOLTS)」によると、8月の求人件数は707.9万件(▲25.6万件)となり、2か月ぶりに減少し、市場予想(722.5万件)を下回った。内訳を見ると、専門・ビジネスサービスが▲11.9万件、医療・ヘルスケアが▲11.5万件、州・地方政府が▲5.8万件とそれぞれ減少した。一方で、商業・輸送・公益事業が+4.3万件、小売が+5.4万件、情報が+4.5万件、金融・保険が+4.8万件と増加したものの、全体としては減少圧力の方が強かった。

 

これによって、失業者1人あたりの求人件数は1.01件となり、7月(1.06件)から6月と同水準へ低下した。ただし、4月以降、1件を上回っており、求人の方が多い状態は続いている。

 

また、採用件数は519.2万件(+4.6万件)へ2か月ぶりに増加した。レイオフ件数は164.1万件(▲6.1万件)へ2か月連続で減少した。2025年3月(159.5万件)以来の低水準だった。総離職件数は507.0万件(▲5.8万件)へ2か月連続で減少した。

 

求人件数の減少から労働需要は弱くなっているものの、引き続き解雇は低水準にとどまっている一方で、企業は採用にも慎重であり、低採用の状況が続いている労働市場の現状が確認された。(経済部 鈴木将之)

[ロシア/外資資産の「暫定管理」相次ぐ、国家管理・国内再配分の制度化が進む] 

ロシアでは9月、外資系企業の資産を大統領令で「暫定管理」に移す動きが相次いだ。9月17日にはNestlé、Auchan、旧Leroy Merlin、FM Logisticなど計16社のロシア法人・資産がL.E.V. Managementの管理下に置かれ、9月28日にはドイツのMetroの持分もUK Torg RUSへ移管された。形式上は没収ではないが、外国株主は経営上の支配権を事実上失う。対象が食品、小売、DIY、物流に広がり、ロシアに残留し、業績を伸ばしていたMetroも含まれたことは、「撤退しなければ安全」との前提が崩れたことを示す。

 

背景には「非友好国」へのけん制に加え、撤退・売却過程への国家介入、外資資産を国内経営者や特定の事業者へ移す再配分、経営権の強制的な現地化がある。さらに、8月の大統領令第604号は、ドローン対策など重要インフラの安全確保を理由に、政府が民間資産を一時的に管理できる枠組みを整備した。

 

今後は医薬品、自動車・機械、消費財、物流・産業インフラなど、国民生活や安全保障との関係が深く、収益性の高い設備を持つ企業ほど、対象となるリスクが高まる。外資企業は売却条件だけでなく、取引完了前の管理移管や所有権再編まで織り込む必要がある。(国際部 ゴロシニコフ アントン)

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