デイリー・アップデート

2019年7月17日 (水)

[米国] 6月の小売売上高は前月比+0.4%となり、4か月連続で増加。良好な雇用・所得環境を背景に、小売売上高が堅調に推移している様子がうかがえる。一方、6月の鉱工業生産指数は前月比0.0%と横ばい。電気・ガスなど公益事業が▲3.6%と減産した影響が大きく、製造業は+0.4%の増産だった。こうした米国内経済の堅調な状況を踏まえて、今月末のFOMCでは利下げが決定される見通し。

[EU] 7月16日、欧州議会は欧州理事会が指名したドイツのフォンデアライエン国防相を次期委員長に選出した。同氏は賛成票383票を集めたものの、過半数の374票をかろうじて9票上回る票数しか得られなかった(反対327票、棄権22票、白紙1票)。2014年のユンケル委員長選出の際の賛成票422票に比して、フォンデアライエン氏に対する支持率は低かった。2014年当時との相違は、欧州理事会が各会派の指名した筆頭候補者から欧州委員長を指名しなかったことがひとつ、また欧州議会選挙の結果、欧州議会そのものが分断状態となったこともあり、フォンデアライエン氏に反対票を投じた議員が多かったと考えられる。

[ミャンマー] 現地メディアの報道によれば、商業省は2018年10月1日~19年7月5日の間の輸出額が前年同期比約8.5%増の127億ドルに達したと発表した。特に農産品の輸出が前年同期比で約11%増の26億ドル。主にコメ・破砕米、豆類、トウモロコシ、天然ゴム、青果、ゴマ、乾燥茶葉、砂糖などを中国、シンガポール、マレーシアなどに輸出した。ただし、中国はミャンマー国境での輸入規制を強化したため中国向けのコメなど農産品輸出は伸び悩んでいる。

[トルコ/ロシア] トルコ国防省によると、ロシアの最新地対空ミサイルシステム「S-400」の一部が、首都・アンカラの空軍基地に到着した。NATO加盟国トルコによるS-400の導入は、NATOの安全保障体制を揺るがす恐れがあると、米国が反対してきたもの。米国は最新鋭軍事技術がロシアへ漏洩する可能性も懸念している。米国は、トルコが同システムを導入した場合、F-35戦闘機のトルコへの販売中止に加えて経済制裁も検討しており、既に冷え込んでいる米・トルコ関係のさらなる悪化が懸念される。

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