デイリー・アップデート

2019年9月30日 (月)

[ベトナム] 9月28日にベトナム統計総局が発表した2019年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.31%。前期(同+6.82%)から大きく加速した。1-9月の成長率は+6.98%と同期の成長率としては過去9年間で最大となった。産業別では製造業の伸びが顕著で+11.7%に上る。対米輸出は1-9月で+28%となった。主要輸出品の携帯電話や衣服が伸びている。米中貿易摩擦の恩恵を受けているとみられる。

[中国] 9月30日に中国国家統計局が発表した2019年9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月より0.3ポイント高い49.8と2カ月ぶりに改善した。しかし、引き続き節目となる50を5カ月連続で割り込んだ。米中貿易摩擦の影響で、製造業の不振が継続している状態。企業の規模別では中堅、中小企業は50を下回ったままだった一方、大企業が前月比0.4ポイント高い50.8と節目の50を上回った。中国政府がインフラ投資を拡大しているため、大手国有企業への公共投資関連の発注が増加しているもよう。

[欧州] 欧州委員会によると、9月のユーロ圏景況感指数は101.7と前月(103.1)から低下し、2015年2月以来約5年ぶりの低水準となった。欧州の主要国では、ドイツが99.4、イタリアが99.9、英国が88.0と長期平均(1990~2018年平均)である100を下回った。ドイツは2013年6月以来初めて100を下回ったことになる。ドイツやイタリアでは製造業や小売業が不調となっている。

[モロッコ] 8月のインフレ率は前年比0.8%増と、7月の0.3%増から加速し、2018年で最も高い数値を記録した。主な要因は食品価格が前月比0.7%増と急上昇したこと。但し前月比での急上昇にも関わらず食品価格は前年比では0.2%減と落ち込んだまま。他、交通費や家具価格の上昇の寄与度が高かった。前月比で見ると8月は全てのセクターで価格上昇が見られた。

[ロシア] 9月29日にモスクワ市内で反プーチン勢力による抗議デモや集会が行われ、約2万人が参加したもよう。デモ参加者らは、7月から8月にかけて行われた市当局などに対する抗議デモで逮捕された活動家らの釈放を求めた。今回、大きな混乱や治安部隊との衝突は起きていない。

[オーストリア] 9月29日に総選挙の投票が行われた。暫定開票結果によれば、クルツ前首相のオーストリア国民党(OVP)が、得票率を2017年の31.5%から38.4%に伸ばして大勝した。一方で、野党のオーストリア社会民主党(SPO)は2017年の26.9%から21.5%に減少した。また、極右のオーストリア自由党(FPO)は5月の汚職スキャンダルが影響して、2017年の26%から17.3%と大幅に得票を減らした。

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