デイリー・アップデート

2019年12月9日 (月)

[米国] 米労働省の11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から26.6万人増加した。また、失業率は3.5%と1969年以来の低水準となった。米企業のストライキが終結したことも追い風になって、雇用者数が増加した。また、平均時給は前年同月比3.1%と上昇。雇用・所得環境の底堅さが確認できる内容だった。12月のFOMCでは政策金利が据え置かれるとの見方が広がっている。

[原油] 「OPEC+」会合では従来の協調減産の合意内容である「2018年10月実績比で日量120万バレル削減」の減産規模について、2020年1-3月にさらに日量50万バレル上乗せすることで合意。サウジアラビアは割当枠を超える自主的減産を行う意向。サウジはこれまでも割当以上の減産を実施。イラク・ナイジェリアなどが遵守できていない減産義務を履行するだけでも「減産強化」となること、今回非OPECのコンデンセート生産を減産対象から除外したとみられることで、実際の追加削減幅は限られるとの見方が多い。次回会合は3月5-6日。

[チリ] 中銀は政策金利を1.75%で据え置いた。10月は月次経済活動指数が3.4%の縮小となり、中銀は2019年及び2020年の経済見通しを下方修正した他、消費者信頼感及び企業景況感が共に急落。また、インフレ率は1月から10月の累計で前年比+2.1%と中銀目標レンジを下回っているが、通貨急落の影響で、11月及び12月にインフレ率が加速すると中銀は見込んでいる。更に、政府による追加財政出動もあることから、中銀は今後数か月政策金利は据え置くと発表している。

[ロシア] ロシアの新たなドーピング不正発覚を受け、世界反ドーピング機関(WADA)は12月9日の臨時常任理事会で同国選手団を東京五輪・パラリンピックから除外する処分案を討議する。国際オリンピック委員会(IOC)は7日、五輪サミットを開催し、ロシアの国ぐるみのドーピング問題に絡む検査データ改ざんを強く非難し、「最大限の厳罰を科すべきだ」との意見で一致した。スポーツ大国に厳格な処分が下される可能性が高まっている。

[EU/アフリカ] 12月7日、フォン・デア・ライエン欧州委員長はアフリカに初外遊を行い、エチオピアでアフリカ連合委員会のファキ委員長とエチオピアのアハメド首相を訪問した。新任の欧州委員長が初外遊先にアフリカを選んだことは著しく象徴的であり、初訪問先にエチオピアを選択した理由は、エチオピアのアハメド首相とエリトリアのアフェウェルキ大統領が2018年7月に平和協定を調印したこと。また、アフリカが世界の中でも最も経済的に成長するポテンシャルを持った大陸とされるため。

[中国] 中国税関総署が発表した11月の貿易統計によると、輸入がプラスに転じ前年同月比+0.3%の1,830億ドルとなるも、輸出は同▲1.1%の2,217億ドルと4カ月連続で減少した。輸入の増加は、主に米国からの輸入が同+3%の109億ドルと10月(同▲14%)から急激に回復したことが大きかった。また、国内製造業に回復の兆しがみられる。10月の米中貿易協議では部分合意をめざす方針で一致し、中国は米国産大豆や豚肉を大量に輸入した。一方、米国向けの輸出は11月に同▲23%の355億ドルと低迷した。

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