デイリー・アップデート

2019年12月16日 (月)

[ブラジル] 中銀は政策金利の4.5%への引下げを決定。0.5%ポイントの利下げは連続4回目。中銀の声明文では次回の利下げは明言されなかった。しかしインフレ率予測ではインフレ率が目標を下回り続け、政策金利は2020年末までに4.25%へ下がった後、翌2021年末までには6.38%まで上がる見込みとしていることから、次回0.25%ポイントの利下げが行われる可能性は残っている。

[フランス] 12月11日、フィリップ首相は年金改革法案の内容を公表したが、全ての労組がその内容に反対を表明した。最大の問題点は定年を62歳に据え置いたまま、64歳まで働くことを奨励するという方針。マクロン政権は公務員の中で警察職員のみを改革法案の対象から除外したため、警察職員はストライキを中止した。しかし、他の公務員はストライキを続ける構え。このため、ストライキは全国規模で継続され、16日にはスト開始後11日目を迎える。

[米/中] 12月14日付の環球時報は社説で、第一段階の米中通商合意の内容を①米国が段階的に追加関税を撤回する、②中国企業は需要に基づいて米国を含む各国からの商品の購入を増やし、③中国は知財権保護、市場参入門戸の拡大などを強化する、と伝えた。また、米中両国はこの第一段階合意を契機に意見の相違を薄め自信を高めて欲しいと今後への期待感をにじませる一方、党と政府が断固として戦いつつ、交渉の門戸を閉ざさぬ方針を貫徹した点を中国人民にはよく見て欲しいと成果を強調した。

[ベトナム] 12月13日、ベトナム統計総局(GSO)は、2010~17年の国内総生産(GDP)統計を修正したと発表した。GDPの規模が従来の統計より平均25.4%も上回る結果となった。GSOによると、統計修正はIMFや国連の協力を得て進められたという。2017年の名目GDP額は5,006兆ドン(2,156億ドル)から6,294兆ドンへと増加。2017年の1人当たりGDPは2,985ドルと、修正前の2,600ドルを大幅に上回り、現在修正作業中の2018年数値も25.4%底上げされると仮定すれば、2,546ドルから3,193ドルとなりフィリピンの現行数値の3,095ドルを超えることになる。

[ドイツ] ドイツ連邦銀行が経済予測を発表。2019年の年間成長率は+0.5%と前回予測から▲0.1ptと微調整されたが、2020年については+0.6%と、同▲0.6ptの大幅な下方修正となった。輸出は回復に向かうものの、これまでけん引役だった個人消費が弱くなると予想されるため。その結果、内需志向産業と外需志向産業の成長スピードの差は縮小する見通し。また、2020年までの消費者物価はこれまでと大きく変わらない一方で、2021年以降になると、気候変動対策によって物価の上昇ペースが加速する見通しになっている。

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