デイリー・アップデート

2019年12月2日 (月)

[インド] 2019年度第2四半期(7-9月期)の実質GDP成長率は前年同期比+4.5%。6四半期連続の減速で6年半ぶりの低水準に落ち込んだ。個人消費の減速が大きい。産業別では製造、建設、農林水産等、幅広い分野で成長率が伸び悩んだ。異常気象により農産物の収穫が減り、農家の収入が減ったことが他の産業にも悪影響を及ぼしたとみられる。12月5日に金融政策委員会が政策金利を決定するが、6会合連続の利下げに踏み切る可能性がある。

[中国] 11月30日、国家統計局と物流購買連合会は、11月の製造業購買担当者指数(PMI)が50.2だったと発表。前月を0.9ポイント上回り、景況判断の節目となる50を7カ月ぶりに上回った。新規輸出受注は、海外でのクリスマス商戦需要で1.8ポイント上昇の48.8となるも、12月15日に予定されている米国による対中追加関税発動が足元の大きな不確実性として残っており、50の壁は超えられていない状況。また、同時に発表された11月の非製造業PMIは54.4で、前月を1.6ポイント上回った。2019年3月の54.8以来の高い水準となった。

[アルゼンチン] 経済活動は8月11日の大統領予備選挙以降悪化しており、9月の月次経済活動指標は前月比1.6%減、前年比2.1%減。1月から9月の累計の前年比は2.3%減。GDPは2年連続で縮小している。

[ロシア/中国] 12月2日、ロシアと中国は、東シベリアのガス田と黒竜江省を結ぶ両国間では初の天然ガスパイプライン「シベリアの力」を開通させる。開通式にはプーチン露大統領と習近平中国国家主席がTV会議方式で参加する予定。ロシアの天然ガスの輸出先はこれまで欧州向けが大半だったが、中国向けパイプラインの完成で販路の多角化につなげることをもくろむ。

[ドイツ] 11月30日に「ドイツのための選択肢」(AfD)の党首選が行われた。AfDの代表者として、党首に穏健派のクルパラ氏を新たに選出し、続投するモイテン氏との二人代表体制となった。

[中/露] 12月2日から正式に中露東線天然ガスパイプライン(=「シベリアの力」)によるガスの供給が開始される。中露域内全長8,000㎞、中国国内は黒龍江、吉林、内蒙古、遼寧、河北、天津、山東、江蘇、上海の9省市を通る5,111km。これにより中国東北地区、北京・天津・河北地区、将来は長江デルタでロシア産の比較的クリーンなエネルギーが利用できる。本パイプラインのフル稼働後は、中国はロシアから年間380億m3、中国の天然ガス輸入総量の28%を輸入することになり、排出量換算で年間1.42憶トンのCO2と182万トンの二酸化硫黄を削減出来るとの試算もある。

[日本] 中曽根元総理の死去が報じられた(享年101才)。中曽根元総理は在職中、自民党内で孤立していたとの見方がある。後藤田官房長官(当時)は総理に就任した中曽根氏を官房長官として補佐するよう田中角栄前総理に要請された際、難色を示しながらも、後に評価を改めたとも伝えられている。

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