デイリー・アップデート

2019年12月13日 (金)

[英国] 12月12日、英国で下院議会議員総選挙の投票が行われた。暫定開票結果によれば、現職ジョンソン首相の保守党が前回の317議席から368議席に議席数を伸ばして圧勝の様相。スコットランドの地方政党SNPは55議席を獲得して2015年に記録した過去最高水準に戻った。自由民主党と緑の党の議席は前回から横ばい。一方で、労働党は2015年の262議席から191議席に減少した。

[中国] 中央経済工作会議が12月10~12日に開催され、新華社が概況を公表した。2020年のマクロ経済政策の重点として、①新発展理念(革新・協調・緑色・開放・共有)の貫徹、 ②3大堅塁攻略戦(脱貧困、環境汚染防止、金融リスク防止)での勝利 、③民生の保証(生活困窮者の救済、就業、年金、医療…) ④積極的財政政策・安定的貨幣政策の継続 、⑤高品質な発展の推進 ⑥経済体制改革の深化、の6点を挙げ、雇用・金融・貿易・外資・投資・景気見通しの「6つの安定」も強調した。

[インド] 12月11日、インド議会は近隣諸国からの非イスラム教徒系移民に市民権を付与する「市民権改正法案(Citizenship Amendment Bill, CAB)」を可決した。大統領の署名を経て新法として成立する見通し。北東部の州ではイスラム教徒による抗議デモが発生。混乱を受けアッサム州の州都グワハティでは無期限の夜間外出禁止令が施行された。グワハティでは12月16日に日印首脳会談が予定されている。

[インド] 12月12日のインド統計・計画実施省の発表によれば、2019年11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+5.54%となり、10月の同+4.62%から伸びが加速した。主因は、CPIの比重の約45.9%を占める食品・飲料(飲食品)が同8.66%上昇したため。特にカレーに使用するタマネギの価格は9月以降高騰が続いている。インド準備銀行は、今年度後半のインフレ率予測を8月会合時の前年同期比+3.5~3.7%から12月には同+5.7~4.1%へと上方修正した。インフレと景気減速が同時に起こるスタグフレーションが懸念されている。

[日本] 日本銀行が発表した『短観』(12月調査)によると、大企業・製造業の業況判断DIは前回9月調査(+5)から12月にゼロへと低下した。先行きの見通しもゼロとなった。一方、大企業・非製造業は前回(+21)から今回(+20)とほぼ横ばいであり、先行き(+18)の低下幅も限定的だった。消費税率引き上げ後にやや減速気味とはいえ非製造業が底堅い一方で、世界経済の減速や米中貿易戦争などから打撃を受ける製造業の不調さが目立っている。

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