デイリー・アップデート

2021年10月14日 (木)

[ミャンマー] 中央銀行はミャンマーチャットと両替可能な通貨に人民元と日本円を新たに加えた。これまでは、米ドル、ユーロ、シンガポールドル、タイバーツ、マレーシアリンギの5つの通貨に限られていた。2019年、中央銀行は人民元と日本円を貿易の決済通貨としていたが両替は認可されていなかった。中国とは人民元の使用が多い陸路貿易が盛んなため、今後は取引がよりスムーズになることやビジネスや旅行の際の利便性が高まることが期待されている。

[米国] 労働省によると、9月の消費者物価上昇率は前年同月比+5.4%となり、8月の+5.3%から0.1pt上昇幅を拡大させた。5月以降5%台が継続しているものの、一段の加速は見られていない。実際、食料品・エネルギーを除くコア指数は9月が+4.0%と8月と同じ伸び率であり、直近ピークは6月の+4.5%だった。ただし、国際商品市況の上昇や供給網の問題などから、エネルギーや食料品、家賃、自動車価格などが上昇圧力になっている構図が継続している。

[中国] 10月13日、中国税関総署は本年9月までの貿易統計を公表。1~9月の輸出:15.55兆元、前年同期比+22.7%(2.40兆ドル、同+33.0%)、輸入:12.78兆元、同+22.6%(1.97兆ドル、同+32.6%)、輸出入合計:28.33兆元、同+22.7%(4.37兆ドル、同+32.8%)と2Qまでの伸び率よりは低下するも引き続き好調を維持。コモディティ価格の上昇で輸入量が減少したが、金額は上昇。海上運賃の高騰で低付加価値製品の輸出が伸び悩んだ。

[香港] 米中間の地政学的緊張が長引き、米中両政府が中国企業の米国での上場に対する規制を強める中、中国企業が資金調達の場をニューヨークから香港に移す動きが相次いでいる。2021年に入って香港で新規株式公開(IPO)した71社が合計359億米ドルを調達し、これは前年同期比25%増、1980年以来の最高値を記録した。香港証券取引所のメインボードは、ニューヨークとナスダックに次ぐ世界第3位の金融取引所となっており、香港のIPO市場は今後しばらく好調を維持すると見られている。

[米/イスラエル/UAE] 米国のブリンケン国務長官、イスラエルのラピード外相、UAEのアブダッラー外務国際協力相がワシントンで3者会談を行った。イスラエルとUAEは昨年トランプ政権の仲介で国交正常化合意に署名しており、今後の両国の連携やイランの核問題など地域の安全保障に関して話し合いが行われた模様。会談後の記者会見で、ラピード外相はイランの核開発を止めるためにイスラエルはいついかなる方法でも行動する権利を有すると発言。またUAE外相は、近いうちにイスラエルを訪問することを明言した。

[米国] 年末のクリスマス商戦に影響を与えかねないサプライチェーン上の支障を打開する目的で、バイデン大統領はロングビーチ港、ロサンゼルス港を24時間体制で稼働するよう協力を要請するとともに、ウォルマート、ターゲット等の小売大手に対しても搬送ニーズを満たすように協力を要請。新型コロナウイルスの世界的な大流行により耐久消費財等の需要が急増する一方、港湾施設での労働者の新型コロナウイルス感染による人手不足で米国のサプライチェーンにも重大な問題が発生している。

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