デイリー・アップデート

2021年10月13日 (水)

[世界経済] 10月12日、IMFは「世界経済見通し」を発表。2021年、2022年の世界の経済成長率見通しをそれぞれ+5.9%、+4.9%とした。7月時点の見通し比では、2021年については0.1%ポイント下方修正、2022年は据え置きとした。2021年の見通しは、低所得国・地域に関しては新型コロナ感染状況が悪化したため下方修正された。先進国・地域に関しては、供給網の混乱などが短期的な足かせとなり経済に影響するとし、米国、日本などの数値が下方修正された。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)の10月の景気期待指数は22.3となり、前月から▲4.2ptの低下となった。低下は5か月連続であり、市場予想を下回った。また、足元の状況を表す現況指数は21.6、前月から▲10.3ptと大幅な低下となった。足元の状況について「良い」という回答比率は前月から8.9pt低下し、「悪い」が1.4pt増加した。原材料・中間財不足などが製造業への打撃になっており、特に自動車や化学・製薬など輸出産業への悪影響が懸念されている。

[イラク] 10月10日に実施された議会選挙(定数:329)の暫定結果が出始めている。最大議席を獲得したのはシーア派の宗教家サドル師率いる選挙連合(73議席)で、前回より19議席増。逆に前回選挙で得票数2位だった親イラン武装組織を母体とするファタハ連合は、28議席減らし20議席となるもよう。ファタハ連合は12日、「選挙は不正操作されたものであり結果は認められない」とする声明を発表。今後正式な選挙結果の発表を待ち、その後数週間~数か月掛かる連立交渉を経て新政権が成立する見込み。

[米国] 10月12日、商務省の米国海洋大気局(NOAA)国家環境情報センター(NCEI)が、深刻化する米国の気候変動に焦点を当てた最新報告書を公表した。同報告書では今年1月から9月までの9か月間に1件当たり10億ドル以上の被害額をもたらした気象・気候災害が18件発生しており、これは昨年の合計22件に次ぐ多さ。また、今年発生した18件の気象・気候災害の被害総額は1,048億ドルに達し、昨年の1,004億ドルを上回ったと推定している。

[ロシア] 10月11日、ロシア株式市場は原油高などを背景に楽観的なムードが広がり、モスクワ証券取引所(MOEX)株価指数は前週末比0.99%高の4,279.8と史上最高値を更新した。エネルギー関連企業に買いが入っているほか、インフレ加速に伴う金利上昇で銀行株も騰勢を強めている。一方、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、12日に確認された死者は973人、感染者は2万8,190人で、ともに1日当たりでは感染拡大開始以来最多となった。

[中国] 10月12日、中国共産党中央弁公庁と国務院は「現代職業教育の質の高い発展の推進に関する意見」を発表した。2025年までに職業教育の質の向上を進め、大学レベルの職業教育機関の学生募集数が職業高校卒業生数の10%以上になるようにし、2035年までに職業教育全体のレベルが世界の上位に入るようにするという目標を掲げている。また、大学生によるイノベーションと起業を支援するため、政府の財政・税制面での支援を強化することなどが盛り込まれている。

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