デイリー・アップデート

2020年1月22日 (水)

[ガイアナ] 1月20日、ガイアナ初の石油輸出が開始された。輸出先は米国メキシコ湾岸。ガイアナは、2015年に沖合120マイルにあるスタブローク鉱区でエクソンが石油を発見するまで非産油国であった。エクソンはパートナーである米系ヘス・コーポレーション、中国系CNOOCとともに2019年12月に生産を開始。IMFは、石油生産開始により2020年のGDP成長率は前年の4%から85.6%に急上昇すると、驚異的な数字を予測している。同国は2018年秋に「一帯一路」の覚書に署名しており中国との関係も強化されるとみられる。

[ドイツ] ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した1月の景況感期待指数は26.7と、前月(10.7)から大幅に上昇した。これは2015年7月以来の高水準であり、長期平均(21.3)を上回った。米中貿易協議の第1段階合意が好感されたため。また、現状指数は▲9.5と、前月から+10.4pt上昇したものの長期平均(▲5.4)を下回っている。期待指数の大幅改善は、米中への依存度の高さを改めて印象づけた一方、足もとの回復が遅れている期待先行の状況は景気の心許なさを反映している。

[ブラジル] 11月の月次経済活動指数は前月比+0.2%、前年比は+1.1%。10月の結果は前月比+0.2%から同+0.1%へと下方修正された。経済は2019年第3四半期に力強く成長した後、減速ないしは調整局面に入っている事が示された。

[ロシア] 1月21日、プーチン大統領は、メドベージェフ内閣の総辞職を受けて就任したミシュスチン新首相が提案した新閣僚を任命した。ラブロフ外相やショイグ国防相、ノバク・エネルギー相ら主要閣僚は留任した一方、経済や教育関連省庁では新規登用を重視。長引く経済低迷で高まる国民の不満を考慮し、内政重視の姿勢を打ち出すことで政権支持率の回復を図る狙いがあるとみられる。

[タイ] 1月21日、憲法裁判所が有力野党「新未来党」の解党を求める請求を棄却した。立憲君主制の転覆を企てていることが憲法違反とする主張について証拠不十分と判断した。ただし、タナトーン党首が新未来党に多額の融資を行ったことが法律違反に当たるとの申し立てもなされており、これに関する審理も行われる見通しのため、依然として解党処分が下される可能性は残っている。

[米国] 1月22日、ムニューシン米財務長官とル・メール仏経済・財務大臣が、スイスのダボスにて会談予定。フランスのデジタル課税をめぐる協議を行うものとみられている。20日にはトランプ・マクロン電話会談が実現し、フランス側がデジタル課税制度に基づく米企業からの徴税を差し控える代わりに、2020年末まで米仏交渉を継続することに両者が合意したとの報道あり。米側は仏デジタル課税制度に反発し、通商法301条に基づき制裁課税を賦課する構えを見せていた。

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