デイリー・アップデート

2020年1月24日 (金)

[米国/イスラエル] トランプ米大統領は、1月28日にネタニヤフ首相がホワイトハウスを訪問する前に、新中東和平案を公表すると発表した。同案は、過去70年以上にわたって解決されてこなかったイスラエルとパレスチナ間の新たな和平案だが、トランプ政権がイスラエル政府と二国間で作り上げたもので、パレスチナ側はこれに一切関与していないため、同案を認めないことを既に発表している。来週には、イスラエルの主要野党「青と白」党のガンツ党首も訪米の予定。

[フィリピン] 1月23日にフィリピン統計庁(PSA)が発表した2019年の実質GDP成長率は前年比+5.9%と3年連続の減速となり、政府目標の+6.0~+6.5%に届かず、8年ぶりに+6%を下回った。米中貿易戦争の影響による世界的な景気減速から輸出が弱く、設備投資はマイナス成長となった。2019年度予算案の成立遅れにより、インフラ整備向けなどの公共支出も大幅に減少した。GDPの約7割を占める民間消費の伸びは+5.8%とインフレが加速し消費が落ち込んだ2018年の+5.6%から持ち直した。

[ECB] 1月23日、ECBは理事会を開催、金融政策の現状維持を決めた。また政策の見直しを幅広く実施する方針を示した。物価上昇率がインフレ目標に達していない現状を踏まえたもの。マイナス金利などの副作用についても検討する。また、ラガルド総裁の会見では、「物価の安定、雇用、環境の持続可能性など」と、気候変動を意識した文言や質疑応答が多かったことが印象的。

[エジプト] エジプトポンドは昨年ドルに対し11%超上昇し、新興国通貨の中で最も上昇した通貨の一つだった。今年に入ってからも1.5%上昇し、1ドルあたり15.8ポンドとなっている。エジプトポンドの上昇は国際収支の著しい改善に起因する。2016年に実施した50%の通貨切り下げにより輸出競争力を強化した一方、国内消費を輸入品から国内生産品へと移行させたこと、及び、ガス生産の増加でエネルギー輸出が倍増したことから、経常赤字が著しく縮小した。また、通貨切り下げとその後の高い政策金利は海外からの資本流入を支援してきた。

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