デイリー・アップデート

2020年1月31日 (金)

[中国] 1月31日北京時間午前10:00現在、中国での新型肺炎による死者は累計213名、前日比43名増(内、湖北省は42名)。医学雑誌『The Lancet』が、武漢金銀潭病院の1/1~1/20の期間における99例の臨床記録を分析し以下公表。1月25日現在、99例中、死者11例、完治・退院31例、入院・治療中57例。99例の平均年齢55.5歳、40歳以下は10%、67例は男性。半数の患者に心臓や脳の血管の疾病、糖尿病などの慢性疾患あり。但し、最も初期の2名は慢性疾患はなかったが重度喫煙者。99例中、17例が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症、内、死亡11例。武漢華南海鮮卸売市場との関連性は、後期の患者ほど希薄になっている。

[シンガポール] 人材開発省(MOM)が30日発表した2019年の失業率(季節調整済み、外国人を含む)は2.3%となり、2018年の2.1%より増加、2009年以来10年ぶりの高水準となった。米中の通商問題などの間接的な影響で経済全体が低迷したことなどが要因となった。失業者数は増加している一方、総雇用者数は前年比で6万3,200人増加し、2018年の4万5,300人増を上回った。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で、雇用環境の悪化が懸念される。

[米国] 米商務省経済分析局(BEA)によると、2019年第4四半期のGDP成長率は前期比年率+2.1%となり、第3四半期と同じ成長率となった。内訳をみると、個人消費は減速し、民間企業設備投資は3四半期連続の減少となった。また、対中制裁関税などで駆け込み需要が生じていた輸入が減少に転じた。輸入の減少によって拡大した結果となった純輸出の影響を除くと、成長率は+0.6%にとどまるため、見た目ほど成長は力強くないようだ。

[メキシコ] 2019年第4四半期の実質GDP成長率は速報ベースで前期比±0%。ほぼ農業で構成されている第1次セクターは第3四半期の力強い成長から反落し縮小した。第2次セクター(鉱工業)は今年で一番成長率の低い四半期となった。第3次セクター(サービス業)は第3四半期より拡大したものの、前期比+0.3%増に留まった。2019年通年の実質GDP成長率は前年比▲0.1%。

[台湾] 米中貿易摩擦を背景に、台湾政府は中国に進出した自国企業を台湾に呼び戻すための投資支援策を打ち出している。IoT、スマート機械、グリーンエネルギー関連など台湾政府が規定する重点7産業に属する製造業であること、中国での投資実行から2年以上経過していることなどいくつかの条件付きだが、該当すれば、土地・人材・融資・電気・税務面で政府からの支援が得られることになる。政府は、2021年末までに、新規投資約4.25兆円、雇用創出10.4万人を目指す。

[ロシア] 政府は中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大対策として、極東のロシア国境を閉鎖すると決定した。また、首都モスクワをはじめ、シベリアや極東の各地と中国を結ぶ航空便の運航についても一時的に停止するという措置について検討している。

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