デイリー・アップデート

2020年8月5日 (水)

[アジア大洋州] 8月3日、アジア開発銀行(ADB) は、アジア大洋州においてコロナ禍の影響で9,100万人の雇用が失われる可能性があり、2020年のアジア出身の出稼ぎ労働者による母国への海外送金は、2018年比で▲11.5%に相当する314億ドル(ベースラインシナリオ:感染拡大から6カ月後に経済活動が正常化)から▲19.8%に相当する543億ドル(最悪のシナリオ:1年以上感染拡大が影響)が減少するとの見通しを発表した。2019年の海外送金総額は3,150億ドルだった。

[米国] 商務省によると、6月の製造業新規受注は前月比+6.2%となり、2か月連続で上昇した。前月(+7.7%)と合わせても、依然として水準は低い。実際、6月の前年同月比は▲10.1%と、昨年から1割程度低い水準にとどまっている。回復傾向にあることは事実だが、その回復ペースは鈍いままといえる。

[中国] 8月4日、国務院は、半導体産業とソフトウエア産業の高品質な発展を促進するための通達を公布した。同通達では、両産業に対する国の優遇策が、財政・税制、投融資、研究開発、輸出入、人材開発、知財権などの項目に分けて列挙されており、中国国内で設立された両産業に従事する企業で条件に適合するものを対象とするが、国有・民間・外資のいずれであることをも問わない。半導体産業では、最少加工線幅が28nm(ナノメートル)以下の企業の場合、利益が発生した年度から10年間企業所得税(通常25%)が免除される。(同65nm、130nmの場合で優遇内容は異なる。)

[レバノン] 8月4日夕方、首都ベイルートの港湾地区で巨大な爆発が発生し、少なくとも78人が死亡、4,000人以上が負傷する大惨事が発生した。これを受けて、ディアブ首相は2週間の非常事態を宣言した。爆発したのは、6年前に当局が押収した2,750トンの硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫だったとのこと。硝酸アンモニウムは化学肥料の材料として使われる一方、火薬や爆薬の原料にもなる危険物。危険物の不適切な管理による事故なのか、何らかのテロ行為で引き起こされた事件なのかは、現在調査中。

[ギリシャ] 8月4日に政府報道官が内閣改造を発表。ただ、発表時に「政策の方向性に変更はない」と強調しているように小規模な改造となっている。政府発表によると、債務危機からの回復途上にあったギリシャ経済が、新型コロナウイルス禍によって再び危機にさらされており、政府の機能をより効率的なものにすることが今回の小規模内閣改造の主旨とされている。

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