デイリー・アップデート

2020年8月25日 (火)

[米国/中国] 中国紙『環境時報』は、米国民主党が18日に発表した政策綱領において、「『一つの中国』原則を堅持する」という文言が削除されていることを報じた。同紙は中国の国際政治学者の言葉を引用しながら、これが即「一つの中国」原則の否定につながるわけではないと解説し、20日にバイデン民主党大統領候補が行った演説については「中国についての言及は少なかった」、「対中攻撃を強めて政争の具にしようとするトランプとの対中批判争いを避けるため」として、バイデン候補への批判を控える論調となっている。

[米国/UAE/イスラエル] 米国がUAEに対して最新鋭のステルス戦闘機F-35を売却することに対し、イスラエルが懸念を表明している。今月、米国の仲介でUAEはイスラエルとの国交を正常化することに合意したが、その見返りの一つと考えられているのが、米国からUAEへの最新鋭兵器の売却。米国はイスラエルの中東における質的軍事優位性を保つため、中東諸国に対して最新鋭兵器を売却してこなかったが、イスラエルとの国交正常化で「障害が無くなった」として、UAEは最新鋭兵器の購入に向けて動いている。

[米国] 24日、下院監視・政府改革委員会は郵便投票を巡る懸念や米国郵政公社(USPS)のコスト削減に向けた取り組みに焦点を当てた公聴会を開催し、デジョイUSPS総裁が証人として証言。赤字経営が続くUSPSのコスト削減を目的として導入された経営改革計画に基づく措置について大統領選挙後に改めて導入し直す方針を表明。コスト削減措置の導入について政治介入は一切なかったとデジョイ総裁は証言。

[日本] 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、6月の名目賃金は前年同月比▲2.0%だった。内訳をみると、基本給など所定給与は同+0.4%と昨年7月以降プラスを維持している一方で、残業代など所定外給与が同▲24.5%、ボーナスなど特別に支払われる給与が同▲2.5%と減少した。またパートタイム労働者の時間給が同+5.8%と4月以降跳ね上がっており、時間給の低い労働者の減少といった雇用調整などの影響を受けているとみられ、雇用環境の回復は道半ばの状態が続いている。

[台湾/中国] 8月24日、台湾経済省投資審議委員会は、「台湾淘宝」が事実上大陸資本であると認定し、罰金を科す他、台湾からの撤退か、登記のやり直しを6か月以内に行うよう命じた。台湾淘宝は英国企業が経営しているが、事実上大陸のアリババが同社をコントロールしており、両岸条例違反と判断された。会員データも台湾淘宝を通じてアリババが使用権を得る仕組みになっている点も問題視された。昨年台湾淘宝が事業を開始する際には、大陸のアリババとは全く異なるプラットホームだと説明していた。愛奇芸、テンセント(WeTV)などの大陸のビデオ配信業者も台湾から締め出される見込み。

[タイ] タイ商務省が24日発表した貿易統計によると、2020年7月の輸出額は前年同月比▲11.4%の188億1,950万ドル。3カ月連続で2桁減だが減少率は5~6月に比べて縮小。輸入額は同▲26.4%の154億7,620万ドル。貿易黒字は単月で過去4番目に高い水準となり33億ドル。6月は16億ドルだった。しかし、最近の外国人観光客の減少によるサービス収支の黒字減少が、貿易黒字を打ち消し経常収支はここ数カ月赤字が続いている。

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