デイリー・アップデート

2020年8月21日 (金)

[日/印/豪] 8月19日のインドの現地報道によると、日本・豪州・インドは中国依存を縮小させるべく「サプライチェーン・レジリエンス・イニシアチブ(SCRI)」の構築に向け来週までに第1回協議を開催するもよう。同イニシアティブは日本が提案したとされ、日本は11月までに開始したい意向という。日豪印は協議後、SCRIをASEANにも提案する見通し。

[米国] 労働省によると、8月15日までの1週間の新規失業保険申請件数は110.6万件となり、前週の97.1万件から増加。3週ぶりの増加となった。一方、継続受給者数は1,484.4万人と、前週の1,548.0万人から減少し、3週連続の減少となった。米国の雇用環境はならしてみれば回復傾向にあるものの、そのペースは依然として緩やかなものにとどまっている。

[米/イラン] 8月20日、ポンペオ米国務長官はニューヨークの国連本部を訪問し、現在の安保理議長国であるインドネシアの国連大使に、イランによるJCPOA順守事項の不履行に関する書面を提出し、対イラン国連制裁の再適用(スナップバック)を要請した。直後に、JCPOA当事国である英・仏・独は共同声明を発表し、スナップバックはJCPOA参加国の権利で、既にJCPOAから離脱した米国によるスナップバックの要請を支持しないことを発表。残りの当事国である中・露・イランも、既に米国に対する不支持を明確にしている。

[米国] 8月19日にカマラ・ハリス上院議員は民主党副大統領候補指名の受諾演説を行い、正式に同党の副大統領候補となった。サンフランシスコ・ベイエリアで検察官経験があり、カリフォルニア州司法長官当時からシリコンバレーの技術企業大手と良好な関係を構築してきたハリス氏が副大統領候補になったことで財界側に安堵感が広がりつつある。民主党大統領候補指名獲得争いでは、急進左派のウォーレン上院議員は技術企業大手の解体を主張していた経緯がある。

[中国] ケビン・ラッド元豪首相が、中国が自国内で現在進めている石炭火力発電所建設について、「経済的に近視眼的であり環境問題にとっては無謀だ」と批判する論評をWP紙に掲載した。中国で今年承認された石炭火力発電所の数はすでに過去2年間に承認された数を上回っており、電気自動車など「新インフラ」への投資をほとんど意味のないものにする。また中国は「一帯一路」でアジア・アフリカ・東欧での石炭プラント建設を進めており、気候変動問題を重視するバイデン政権が誕生した場合、問題視される可能性を指摘している。

[EU] メルケル独首相とマクロン仏大統領が会談。今後は、EUが「geopolitical actor(地政学的プレイヤー)」として「一つの声」となってEU域内外の問題に対応しなければならないという見解を発表。ベラルーシ情勢に関しては、ベラルーシ当局・野党・市民社会の対話がベラルーシの人々によって確立されることを希望。ただし、EUは仲介役の役割を引き受ける準備があることを強調している。

[ロシア] 反プーチンの野党勢力指導者ナワリヌイ氏(44)が意識不明で病院に搬送された。シベリア訪問中に毒物を盛られた疑いがある。同氏は西シベリアのトムスクを訪問後、飛行機でモスクワに戻る途中に機内で体調不良を訴えた。機体はオムスクに緊急着陸し、同氏は意識不明の重体に陥った。ロシア政府は検査結果を待っていると説明した。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。