デイリー・アップデート

2021年1月18日 (月)

[インド] 1月16日、英アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発して印セラム・インスティテュート・オブ・インディアが製造する「コビシールド」と印バーラト・バイオテックが開発した「コバクシン」の2種の新型コロナウイルスワクチンの接種が開始された。いずれも初回接種から28日間を空けて再び接種する必要がある。初日は医療従事者らを中心に全国で19万人超が接種した。

[米国] 1月20日にバイデン前副大統領が正式に第46代大統領に就任するが、ホワイトハウスの要となる大統領首席補佐官に就任するロン・クライン氏はバイデン次期政権が取り組む4つの課題として、①新型コロナ対策、②米経済の再建、③気候変動対策、④人種間の不平等の是正、を指摘するとともに、トランプ政権が導入した一連の政策の巻き戻しを目的として、大統領就任10日以内に大統領令に矢継ぎ早に署名すると説明した。

[米国] FRBによると、12月の鉱工業生産指数は前月比+1.6%となり、3か月連続の増産となった。また、設備稼働率は74.5%となり、前月の73.4%から上昇した。春の減産分を取り戻せていないものの、増産基調を維持している。また、商務省によると、12月の小売売上高は前月比▲0.7%と減少した。減少は3か月連続で、新型コロナウイルス感染拡大と経済活動の制限措置などの影響を受けていることが主因。生産と消費の方向感の相違がまだら模様の経済を表している。

[ロシア] 昨年夏に毒殺未遂に遭ったロシア反体制派のナワリヌイ氏が1月17日、療養先のベルリンから帰国したが、モスクワの空港到着直後に司法当局に拘束された。毒殺を命じたのはプーチン大統領だと批判し、9月に予定される下院選に向けて批判を強める同氏に対し、プーチン政権は力で抑え込む姿勢を鮮明にした。

[ドイツ] 1月16日に開かれた与党CDUの党大会で、16州の党の代表1,001人が、穏健派・中道路線でメルケル首相の盟友と言われるラシェット・ノルトライン=ウェストファーレン州首相を新党首に選出(オンライン党大会上でのデジタル投票)。形式上、郵送投票の結果を確認の上、承認される。穏健派のラシェット氏が選出されたことで、CDUのメルケル路線が続くとみられる。

[中国] 1月15日、中国工業情報化省は、「レアアース管理条例」の草案を発表した。2月までパブリック・コメントを募集する。レアアースの採掘・精錬、投資プロジェクトの認可、サプライチェーンの管理と強化について規定し、採掘と精錬分離について総量指標管理制度を確立、資源と環境保護のため、国はレアアースの採掘や精錬分離を制限・停止することができるとしている。輸出管理法との連携も重視する方針。中でも新エネルギー自動車などの製造に必要な永久磁石材料は特に需要が大きく、2025年のネオジム磁石の需要は2020年の4倍以上になると予測されている。

[中国] 1月18日、国家統計局が発表した2020年の実質GDP成長率は前年比+2.3%となり文化大革命の最終年で同▲1.6%を記録した1976年以来44年ぶりの低水準であったが、主要国の中では唯一プラス成長を維持した。コロナ禍の下、第1四半期には、比較可能な四半期データが公表され始めた1992年以来、四半期として初めてマイナス成長(前年同期比▲6.8%)に陥ったものの、感染拡大を抑えられたことで早期に企業活動が再開し、政府の景気刺激策によって回復基調に転じた。2020年第4四半期の実質GDP成長率は前年同期比+6.5%と、第3四半期の同+4.9%より加速した。

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