デイリー・アップデート

2021年1月26日 (火)

[ドイツ] Ifo経済研究所が発表した景況感指数は1月に90.1と、前月の92.2から低下した。低下は2か月ぶり。内訳をみると、現状指数は89.2と前月から▲1.1pt、期待指数は91.1と同▲1.9ptの低下を記録した。経済活動の制限措置を受けて、足元の状況と先行きの双方に対して悲観的な見方が増えている。小売業に加えて、これまで堅調だった製造業の景況感指数も低下した。規制が少なくとも2月中旬まで継続されるため、ドイツ経済の回復は一時停止となる公算が強い。

[米国] 1月25日、バイデン大統領は、連邦政府機関による政府調達において米国製品の購入を優先する「バイアメリカン条項」の適用強化を図る大統領令に署名した。米国製品の調達比率の改善を進めることで米製造業の強化を図る方針であり、従来まで認められてきた外国製品の調達に関する適用除外を減少させる狙いがある。行政管理予算局(OMB)に同大統領令の実施状況を監視する高官ポストが新設される。

[世界] 1月24日、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した”Investment Trend Monitor”によると、2020年の世界の海外直接投資(FDI)は前年比▲42%の8,590億ドルとなった(2019年は1.5兆ドル)。特に先進国向けFDIは同▲69%の2,290億ドルと大幅に減少した。一方、中国向けFDIは同+4%の1,630億ドルで、米国向けの1,340億ドル(同▲49%)を超え、史上初めて世界1位になった。新型コロナウイルス感染拡大により米国経済が大きく停滞した一方、早期に克服した中国に投資資金が集まったためとみられる。

[イエメン] 米国のバイデン新政権は、トランプ政権が終了間際に発動したイエメンのフーシ派(正式名称はアンサール・アッラー)に対するテロ組織指定に伴う制裁を1か月間停止すると発表した。フーシ派のテロ組織指定に関しては、内戦によるイエメンの人道危機的状況がさらに悪化することを恐れて、国連や各国援助組織などがバイデン政権に対しテロ組織指定を見直すよう要請しており、米国務省も既に見直し手続きを始めたことを発表している。

[中国] 中国で食糧価格が高騰しており、農業農村部(省)が発表した農産物の卸売価格指数が、2016年末に初めて公表されて以来、過去最高の139に急上昇した。野菜に焦点を当てたサブ指数も145と過去最高を更新。毎年、冬で春節前のこの時期は食糧価格が上昇するが、今年は3度にわたる寒波襲来、ロックダウンによる配達の混乱、買いだめなどが影響している。また、別報道によれば養豚大手の新希望六和でアフリカ豚熱が発生しており、影響が懸念される。

[イタリア] 1月26日にコンテ首相がマッタレッラ大統領に辞任の意向を伝える見込み。その後大統領が同首相に第3次政権の組閣を命じるとみられるが、組閣できない場合は解散総選挙となる可能性がある。連立与党はコンテ首相支持の意向を表明しているが、野党は早期の解散総選挙を要請している。

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