デイリー・アップデート

2021年1月12日 (火)

[中国] 1月11日、国家統計局が発表した2020年12月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+0.2%となった。前月(同▲0.5%)は2009年10月以来のマイナスを記録していたが、2か月ぶりにプラスに転じた。12月の食料価格が再度高騰したことが主因の一つ。寒さが継続し倉庫保管費用、生鮮食品の輸送費がかさんだことに加えて、春節を控え食料品、特に肉類の需要が拡大した。12月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比▲0.4%。下落率は前月から1.1ポイント縮小したものの、11か月連続のマイナスとなった。

[米国] 労働省によると、12月の非農業部門雇用者数は前月から▲14.0万人と、4月以来8か月ぶりの減少となった。感染拡大とともに経済活動の制限措置が強化されたため、「余暇・ホスピタリティ」部門などで雇用者数が減少した。その一方で、主要産業で大幅減となった4月の状況とは異なっている点も注目される。また、失業率は6.7%と、前月から横ばいとなっており、一部の労働力が労働市場から退出している可能性がある。

[中国] 1月9日、国家衛生健康委員会は、旧正月の帰省を控え勤務地での年越しを提唱した。既に、北京市を含む24の省・市政府も同様の提案を行っており、帰省しない従業員に企業から奨励金を支給するよう提案(浙江省)、官公庁職員の国内・海外出張は原則禁止とする(北京市)など、地方独自の動きもある。武漢市は、10日付の通達で、移動が許されている全国の低リスク地区から武漢市に帰省する人々に対しても7日間以内に取得した新型コロナ陰性証明書の提示などの条件を付けた。旧正月休暇での人々の移動を政府が警戒している。

[サウジアラビア/カタール] 1月4日、サウジはカタールとの陸・海・空の交通網再開に合意し、翌5日には湾岸協力会議(GCC)のサミットでカタールと断交していた4か国がそろってカタールとの断交の解消に合意した。9日にはサウジとのカタールの唯一の陸路国境が解放され双方からの車両の往来が可能になり、11日にはカタール航空及びサウジ航空による両国間の直行便が再開された。UAEも交通網の再開を約束しているが、外交に関する問題解決には時間がかかるとしており、未だ火種は残っている。

[米国] バイデン次期大統領は次期米中央情報局(CIA)長官にウィリアム・バーンズ元国務省副長官を指名した。国務省のキャリア外交官出身のバーンズ氏は駐ロシア大使や駐ヨルダン大使を歴任し、ロシア語やアラビア語が堪能であり、オバマ前政権で米ロ関係の「リセット」やイラン核合意の秘密交渉に従事。イラン核合意の秘密交渉にともに従事したジェイク・サリバン氏はバイデン次期政権では国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任する予定。

[キルギス] 中央アジアのキルギスでは1月10日に行われた大統領選で、ジャパロフ前首相(52)が当選を確実にした。大統領権限を大幅に強める憲法改正について是非を問う国民投票でも賛成が多数を占めており、政変が相次いだ同国の立て直しがジャパロフ氏の主導で進むことになる。

[EU] 米国における議会議事堂乱入・一時占拠事件の発生を受け、欧州委員会はバイデン次期政権との協力強化を目指すとともに、オンライン・プラットフォームの規制強化へと動き出す見込み。ボレル上級代表は、開かれた民主的な社会・経済の維持のためには、多国間システムを再構築することが必要とし、バイデン次期政権と共に多国間システムを再構築することを期待すると述べた。

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