デイリー・アップデート

2021年1月22日 (金)

[中国] 1月20日、商務部(省)は、2020年の世界からの対中直接投資が前年比+6.2%の1兆元(約16兆円)、ドル建てでは同+4.5%の1,444億ドルになったと発表した。新型コロナウイルス感染抑制が功を奏し堅調な経済回復・外需の下、過去最高を更新したという。同部はまた21日、中国企業による2020年の海外直接投資(FDI、金融業を除く)が実行ベースで前年比▲0.4%の1,101億5,000万ドル(約11兆4,000億円)だったと発表した。人民元換算では7,597億7,000万元だった。

[米国] 労働省によると、1月16日までの1週間の新規失業保険申請件数は90.0万件となり、前週から2.6万件減少した。11月にかけて80万件を下回っていたことを踏まえると、感染拡大に伴う制限措置によって、足元の雇用環境の回復は停滞している。1月2日までの週のパンデミック緊急失業補償(PEUC)やパンデミック失業支援(PUA)受給者はそれぞれ100万人超減少したものの、昨年12月末で両制度が一旦終了した影響もあり、数値が示すままのような改善ではないとみられる。

[米国] 政権を始動させたバイデン大統領は成立を目指す主要法案の一つとして、「包括的移民法改正」法案を重視し始めており、移民法改正への取り組みはトランプ前政権からの大幅な政策転換を印象づけることにもなる。だが、米国内に滞在している約1,100万人の不法移民に対して米国の市民権を付与する道を切り開くことになる包括的移民法改正法案の成立には共和党の多くの議員が難色を示している状況。ブッシュ、オバマ両政権も法案を成立できずに終わっている。

[ハンガリー] ハンガリー政府は新型コロナウイルスのロシア製ワクチン「スプートニクV」の使用を承認した。EU諸国としては初認可となり、欧州医薬品庁(EMA)から批判が出る可能性が高い。実際、最終的な使用には、ハンガリー国立公衆衛生センター(NPHC)からの許可も必要であり、この数週間で同許可を得られるかどうかが注目点となる。ロシア製ワクチンは、このほかアルゼンチンやアラブ首長国連邦(UAE)、セルビアなども承認している。

[香港] 1月22日、香港メディアのSCMPは、中国全人代が香港行政長官を選出する際の選挙委員会(定数1,200人)の抜本的見直しと立法会の「超級区議席(第二)」(スーパーシート)廃止を検討していると報じた。選挙委員会は各級議員と職能団体・社会団体から選出された委員により構成され、民意が反映されやすい区議会には117人(1,200人の約1割)が割り当てられているが、2022年の行政長官選挙までに廃止される可能性が高い。スーパーシートは、立法会(定数70議席)で職能別選挙により選ばれる35議席に区議会議員5人が立候補できる制度だが、これも廃止される見込み。

[イラク] 1月21日朝、首都バグダッド中心部の市場で2件の自爆テロが立て続けに発生し、少なくとも32人が死亡、110人が負傷した。事件後、イスラム国(IS)が犯行声明を出している。3年前に同じ場所で38名が犠牲となるテロ事件が発生しているが、最近バグダッドの治安は安定してきており大規模テロは珍しい。事件を受けて、カーゼミー首相は複数の治安・諜報関係幹部を解任。イラク政府は特に諜報分野において米軍の支援を受けているが、米軍は今月に入りイラク駐留兵を2,500人まで減少させている。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

16人が「いいね!」と言っています。