デイリー・アップデート

2021年1月27日 (水)

[米国] ジョージ・W・ブッシュ政権で米国通商代表部(USTR)代表や行政管理予算局(OMB)局長の要職を歴任し、現在、オハイオ州選出の共和党現職であるポートマン上院議員が、改選期を迎える2022年中間選挙には出馬せず、今期限りで引退する意向を1月25日に表明した。トランプ大統領(当時)は昨年秋の大統領選挙でオハイオ州においてバイデン候補に対し得票率8ポイント差で大勝しており、同州で親トランプ派共和党上院議員候補が勝利した場合、トランプ氏の影響力が維持される可能性が浮上してきた。

[世界] 1月26日、IMFが世界経済見通しを発表。2021年の世界経済見通しについて2020年10月時点の予測より0.3ポイント上方修正して5.5%とし、2022年は10月時点から変更なしの4.2%とした。2021年の上方修正は米国の景気回復を反映。最近のワクチン接種が今年後半でのコロナ禍からの脱却に希望を与える一方、新型コロナウイルスの感染再拡大と変異種の発生が見通しに対する懸念材料となった。また、回復力には国ごとの感染状況や産業構造などによりばらつきがあることを指摘した。

[イラン] イラン政府は、ロシア製のCOVID-19ワクチン「スプートニクV」の輸入と、将来的にイラン国内で同ワクチンの共同生産を行う計画を承認した。イランはCOVID-19による死者が5万7千人を超え、最大の被害国の一つとなっている。今月上旬にハメネイ最高指導者は、米国および英国製のワクチンを「全く信用できない」として輸入を禁止しており、国内製のワクチン開発も目指している。

[米国] 1月26日、上院商務委員会にて、レモンド次期商務長官(ロードアイランド州知事)に対する承認公聴会が行われた。レモンド知事は、優先課題として、1)新型コロナ感染拡大からの経済回復と格差是正、2)米国労働者・製造業の競争力構築と中国等による不公正な貿易慣行への対抗、3)気候変動対策を通じた雇用創出、を挙げた。また、中国による米国の情報通信インフラへの侵入は許さないとしつつも、ファーウェイ社への具体的な対応については言及を避けた。

[米/露] 1月26日、米露両政府は、2月5日に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の延長に合意したと発表した。バイデン米大統領は同26日、就任後初めてロシアのプーチン大統領と電話会談し、新STARTの5年間延長を確認。米ロ間に唯一残った核軍縮条約である新STARTは、期限切れを前に辛うじて存続が決まった。

[英国] スコットランド国民党(SNP)がスコットランド議会に独立の是非を問う住民投票実施(第2回)のロードマップを発表。スタージョン第一首相(SNP党首)は、5月に予定されているスコットランド議会選挙は同地域住民の意志を確認する選挙であるとして、同党勝利の場合は2度目の住民投票を実施する責任があるとの見解を発表。一方、野党スコットランド保守党や中央政府側は一貫して実施反対を表明している。

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