デイリー・アップデート

2020年12月15日 (火)

[米国] トランプ政権が「米国第一主義」に基づく外交を展開する中、中南米地域への関心を低下させたのとは対照的に、中国は豊富な資源に恵まれた同地域への投資や低金利融資を通じて経済関係を強化してきた。コロナ禍の中でアルゼンチンの左派フェルナンデス政権は、最近中国製ワクチンの供給、新たな通貨スワップ協定への合意等で中国との関係を強化。バイデン次期政権にとり中南米地域でその影響力をますます増大させつつある中国に対峙(たいじ)することが外交課題の一つとなる。

[フィリピン] 12月10日、フィリピン統計庁(PSA)が発表した2020年7~9月期の同国への海外直接投資(FDI)認可額は、前年同期比▲83.0%の310億3,250万ペソ(約670億5,000万円)で、3四半期連続のマイナス、11年ぶりの低水準となった。政府は5月中旬から段階的に外出・移動制限を緩和し、経済活動を再開。しかし感染が再拡大した8月に一時的に制限措置を再び厳格化したことが影響した。投資国のなかでは、中国が前年同期比7.7倍の95億8,260万ペソと、全体の30.9%を占め最大となった。

[ロシア] 12月14日、反体制派のナワリヌイ氏は声明を発表し、今年8月に起きた自身に対する毒殺未遂とみられる事件について、ロシアの特務機関、連邦保安局(FSB)の工作員ら8人の関与を突きとめたとして、氏名と写真を公表した。英調査報道サイト『ベリングキャット』の情報をもとに、ナワリヌイ氏のチーム、米CNNテレビ、ドイツ有力誌『シュピーゲル』などが協力した合同調査の結果としている。

[ドイツ] 新型コロナウイルス感染拡大を受けて2度延期されていた与党CDUの党大会を1月15/16日にオンラインで開催し、16日に党首選の投票、22日に結果を公表することが発表された。党首はドイツ16州の党代表1,001人の無記名投票によって選出される。

[中国] 今週初め、英国や豪州のメディアが、匿名の人物より送られてきた195万人の中国共産党員リストについて報じ、なかには欧米の領事館や大手金融機関、ボーイングや製薬会社のファイザー、アストラゼネカに雇用されている者もいると警戒する報道を行ったのに対し、中国の『環球時報』は「リストが正しいものかどうかは知らない」としつつ、「中国共産党員は9,000万人以上いて優秀な人が多い。外国公館や銀行・外資系企業に党員がいるのは当たり前」と反論する社説を掲載している。

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