デイリー・アップデート

2020年12月17日 (木)

[ミャンマー] 12月15日、世界銀行は「ミャンマー経済モニター」を発表。ミャンマーの2020年度(2020年10月~2021年9月)の実質GDP成長率が+2%にとどまると予測(2019年度は+1.7%と、前年度の+6.8%から大幅に減速していた)。コロナ禍の影響で国内経済が打撃を受け、貧困層が増加。人口に占める貧困層の割合は、2018年度は22.4%だったが、2020年度には27%に増加する見通し。コロナ禍発生前は、2020年度に17%まで縮小する見通しだった。政府は近々、ミャンマー経済復興改革計画(MERRP)を発表する予定。

[米国] FRB(連邦準備制度理事会)は12月15~16日にFOMC(連邦公開市場委員会)を開催し、政策金利(FF金利)の誘導目標を0~0.25%に据え置くことを決めた。また、月額1,200億ドルの資産買い入れについて、「雇用の最大化と物価の安定の目標達成に向けてさらに著しい進展が見られるまで」と、従来の「今後数か月」から継続期間の表現を変更した。パウエルFRB議長は、雇用の回復ペースの鈍化を懸念している上、金融政策の効果が出てくるには時間がかかることもあり、財政政策の重要性を引き続き強調した。

[ベトナム] 12月16日、米財務省が半期為替報告書を議会に提出。ベトナムとスイスを「為替操作国」に認定した。ベトナムは為替操作国の3基準(①対米貿易黒字が年間200億ドル以上、②経常黒字がGDP比2%以上、③為替介入の規模がGDP比2%以上かつ過去12か月のうち6か月間で実施)を満たしたと認定(2020年6月までの12か月間で対米貿易黒字は580億ドル、経常黒字はGDP比4.6%、為替介入はGDP比5.1%)。なお監視リストには従来の7か国(中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、マレーシア、シンガポール)にタイ、インド、台湾が追加された。

[米国] 中東・欧州歴訪中であったオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は外遊日程を大幅に切り上げて12月15日に帰国した。ロシアによるとみられる米国政府機関を標的とするスパイ活動を目的とした米ネットワーク管理企業経由での深刻なサイバー攻撃が発覚したためといわれる。国務省、商務省、財務省、国土安全保障省、米国国立衛生研究所(NIH)をはじめとする省庁・機関の内部システムにも不正アクセスが行われたことが判明。

[EU] 欧州委員会とボレル上級代表が「EUサイバーセキュリティ戦略」を発表した。発表に際し、ボレル上級代表は、テクノロジーを悪用して政治的な影響を及ぼす傾向が日々強くみられるサイバースペースにおいて、脅威が進化・現実化していることから、EUが包括的な戦略を取ることの重要性を強調している。同戦略は、新型コロナウイルス危機からの回復においてサイバー脅威に対するEUの対応を強化するほか、EU市民と企業が信頼できるデジタル・サービスを構築することを目標としている。

[中国] 湖南省や浙江省で、冬の電力需要に供給が追い付かないため、電力使用制限を設けると各地方政府が発表した。今年の冬は気温が急激に下がった上、石炭を使用した暖房の減少、ダム水位の低下、凍結による風力発電への影響、国内での石炭需給および輸送のひっ迫から、春節前後まで電力不足が続く見込み。重要な公共施設と重点企業への電力供給を優先し、行政機関や観光施設への供給を適切に制限するとしている。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。