デイリー・アップデート

2020年12月21日 (月)

[世界貿易] 12月18日、WTOは、世界のモノの貿易量が、コロナ禍で落ち込んだ2020年第2四半期を底として第3四半期には回復したと発表した。第3四半期の世界貿易量は前期比11.6%増、前年同期比5.6%減(第2四半期は前期比12.7%減だった)。輸出量の回復は先進国の方が大きかった。前期比で2桁台の伸びとなったのは北米(20.1%増)、欧州(19.3%増)、アジア(10.1%増)。前年同期比の輸出量ではアジアが0.4%増となったもののその他は減少を示し、北米9.0%減、欧州5.4%減、中南米3.4%減、その他地域11.4%減だった。

[ドイツ] Ifo経済研究所が発表した12月の景況感指数は92.1となり、前月の90.9から上昇した。9月の直近ピークから2か月連続の低下後の反発となった。内訳をみると、現状と半年程度先の先行きのいずれの指数も前月から上昇した。産業別には、製造業やそれに関連する卸売業、建設業などが底堅く推移していた一方で、サービス業では強弱が入り混じっていた。また、調査期間が都市封鎖の厳格化の発表前だったこともあり、実態は見た目の数値よりも弱い可能性がある。

[中国] 12月16~18日、年に一度の中央経済工作会議が開催された。会議では、2020年の経済政策について「尋常ならざる一年に主要国として世界で唯一プラス成長を遂げた」と肯定的に評価。2021年のマクロ経済政策は、連続性、安定性、持続性を維持して急激な政策転換は行わないとし、以下の8項目の「重点施策」を決定した。①戦略的科学技術力強化 ②サプライチェーンのコントロール能力増強 ③内需拡大 ④改革開放 ⑤食糧生産維持 ⑥独占禁止強化 ⑦大都市の住宅問題解決 ⑧CO2排出削減。

[米国] 12月20日、議会共和党と民主党は、2021年度の歳出と追加経済対策について合意。21日に採決にかける予定。追加経済対策は9,000億ドル規模で、給付金600ドル、失業手当の上乗せに300ドル/週、中小企業支援に2,800億ドル、航空産業支援に150億ドルといった内容が含まれる見込み。州・自治体政府への財政支援や、従業員のコロナ感染に関わる企業免責規定などは最終的には盛り込まれなかった。

[米国] ロシア政府の支援を受けたロシア人ハッカーによる米国政府機関を標的にした大規模なサイバー攻撃が先週発覚したが、バイデン次期政権で大統領首席補佐官に就任するロン・クレイン氏は、「単なる制裁措置の発動とはならず、サイバー攻撃に関与した外交勢力の能力を劣化させることができる措置等を導入することになる」との見解を表明。バイデン次期大統領に近い他の関係者は選択肢として対ロシア金融政策の発動やロシア国内のインフラを標的にしたサイバー攻撃による報復措置の発動を指摘。

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