デイリー・アップデート

2020年12月22日 (火)

[バングラデシュ/ブータン] 12月6日、バングラデシュは、同国にとって1971年の独立以来初めての2国間貿易協定となる特恵貿易協定(PTA)をブータンと締結した。両国の貿易総額は2008/2009年度の1,277万ドルから2018/2019年度の4,965万ドルに拡大。内容はまだ非公表だが現地報道によると、バングラデシュからブータンへの輸出では子供服や紳士服、ジュートや皮革製品など約100品目、ブータンからの輸入に関してはオレンジなどの果物、蜂蜜、木製家具など34品目の輸入関税が無税となる。

[米国] 上院共和党を率いるマコネル共和党上院院内総務は、1月3日に召集される第117議会でも共和党が多数党の立場を引き続き維持した場合でも、バイデン次期大統領が指名した次期閣僚の上院での指名承認プロセスについて前向きに取り組む方針を表明した。トランプ政権が始動した大統領就任日にトランプ大統領が指名した次期閣僚は2人しか指名承認されていなかった過去の経緯があり、共和党議員の一部には当時の上院民主党に対する不満が存在している背景がある。

[米国] 12月21日、下院が2021年度の歳出(1.4兆ドル)と追加経済対策(9,000億ドル)を可決。今後、上院も同内容の法案を可決し、大統領が署名する見込み。民主党は、来年のバイデン新政権発足の下でさらなる経済対策の実施を目指しつつ、今回は9,000億ドル規模の経済対策で妥協したが、共和党側はさらなる財政支出に対する拒否感が強い。

[ロシア] 12月21日、反体制派のナワリヌイ氏は、自身に対する暗殺未遂事件について、関係者を装いロシアの工作員に電話で接触し、毒物が下着に入れられたとの詳細を聞き出したと明らかにした。録音の中で、電話の相手は当初ためらい警戒感を示したが、最終的には事件の経緯を話し始め、ナワリヌイ氏が生き延びた理由を説明。同氏を乗せた飛行機が緊急着陸するとは予想しておらず、フライトがそのまま続いていたら同氏は死亡していただろうと語ったという。

[中国/EU] 中国とEUは、包括的投資協定の締結に向けた交渉をスピードアップさせている。EUの通商担当高官によれば、年内締結を目指す中国は「驚くほど良い条件の提案」をしてきたものの、労働権の問題、特に強制労働の禁止について拘束力のある約束をすることを拒否しており、「このまま協定が締結されると新疆ウイグル問題で中国に圧力をかけるのが難しくなる」と欧州議会では反対も出ている。一方、メルケル独首相などは締結を強力に推進している。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。