デイリー・アップデート

2021年5月10日 (月)

[米国] 労働省によると、4月の非農業部門雇用者数は前月から26.6万人増加した。4か月連続の増加だったものの市場予測の100万人弱を下回った。娯楽・ホスピタリティ産業で雇用が増加した一方で、輸送や小売・製造業などでは減少した。また、労働参加率が61.7%と0.2pt上昇し、失業率も6.1%と0.1pt上昇した。経済活動が段階的に再開して労働需要が増えた一方で、経済対策による現金給付や失業給付の上乗せ、感染リスクの回避や子育てのために労働供給が鈍ったという見方があるようだ。

[英国] 5月6日に行われたスコットランド議会選挙で、与党スコットランド国民党(SNP)が単独過半数獲得に失敗。ただし、穏健派の独立支持政党「緑の党」を加えると独立派政党が72議席と定数129の過半数を獲得した。スタージョン第一首相はコロナウイルス危機終息後に独立の是非を問う住民投票を再実施することを改めて表明。パンデミックからの復興を最優先する中央政府との軋轢が予想される。

[トルコ/エジプト] 過去8年間外交関係が悪化していたトルコとエジプトが、外交対話を再開した。関係悪化の要因は、エジプトのシシ政権がテロリストに認定するムスリム同胞団をトルコのエルドアン大統領が支持し、同胞団を弾圧するシシ政権をエルドアン大統領が強く批判してきたこと。トルコの立場や地域情勢も変わり、トルコ側からエジプトに和解を求めているもよう。エジプトは、トルコによる同胞団支持の停止やトルコがかくまっている同胞団員の引き渡しを求めているが、トルコ側がどこまで応じるかは不明。

[米国] ジェフ・ジエンツ・ホワイトハウス新型コロナ対策調整官は、5月9日に出演した政治討論番組で「米国の新型コロナウイルスとの戦いは峠を越しつつある」との認識を表明。ジエンツ氏は米国民の成人の58%が少なくとも一度のワクチン接種を済ませており、4月の一日当たりの新型コロナ感染者数は前月比で約40%減少したと発言。バイデン政権は独立記念日までに通常の生活への一部回帰を目指している。

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