デイリー・アップデート

2021年5月7日 (金)

[米国] 労働省によると、5月1日までの1週間の新規失業保険申請件数は49.8万件となり、2020年3月14日までの週以来の低水準になった。4月24日までの週の継続受給者数は369.0万人となり、2週連続で増加した。一方で、4月17日までの週のパンデミック緊急失業補償(PEUC)受給者数は497.3万人、パンデミック失業給付(PUA)受給者数は686.3万人となり、ともに2週連続で減少した。経済活動の段階的な再開とともに、雇用環境も回復しつつあるようだ。

[米国] バイデン大統領は総額2.3兆ドル規模のインフラ整備計画である「米国雇用計画」への支持を求めて全米各地を遊説する「米国を軌道に戻すツアー」を現在展開中。本日(米国時間5月6日)、共和党の支持が強固な南部ルイジアナ州入りしてインフラ整備計画への支持を訴えたが、上院共和党指導部を率いるマコネル共和党上院院内総務はバイデン政権が推進しようとしているアジェンダを阻止する方針を最近表明しており、超党派主義は大きな壁に突き当たっている。

[パレスチナ] 5月22日に予定されていたパレスチナ議会選挙に関し、東エルサレムでの投票について同地を実効支配するイスラエルが許可しなかったことを理由に、アッバス大統領が延期を発表した。実施されれば15年ぶりの選挙だったためパレスチナ人の強い関心を集めていた。しかし、アッバス大統領率いる政党ファタハの民衆からの不人気及び内部分裂で、対立するイスラム原理主義政党ハマスの勝利が予想されており、これを懸念したイスラエルや欧米諸国が選挙実施を強く後押ししなかったことが理由ともいわれている。

[中国] 米調査会社ロジウム・グループによると、2019年の中国の温室効果ガス排出量は全世界総排出量の27%に達し、全ての先進国の合計排出量を上回った。インドの排出量は世界全体の6%を占め、EU(27か国合計)を初めて抜き、世界3位となった。中国の一人当たり排出量は10.1トンでOECD諸国の平均(10.5トン/人)に近づきつつあるが、米国(17.6トン/人)よりは大幅に低い水準となっている。

[ウクライナ/米国] ウクライナを訪問したブリンケン米国務長官は5月6日、ロシアの軍事圧力にさらされているウクライナの「主権・領土保全・独立」を支持すると表明した。ロシアは依然、ウクライナ国境付近に大規模な軍部隊を残していると指摘、ロシアに侵略的な行動をやめるよう働きかけると言明した。

[中国] 財政部の劉昆部長は、5月6日付経済日報に掲載された、第14次5か年計画における財政・税制改革の重点活動を記した寄稿文の中で、不動産税の立法と改革を積極的かつ穏当に推進すると述べた。劉部長が公表文書の中で不動産税の立法に言及したのは、昨年11月、12月に続き三回目で、表現にも変更はない。不動産税の立法化は中国では十数年来の難題だが、第14次5か年計画(~2025年)にも盛り込まれており、専門家は全人代の現行委員の任期(2023年3月)内の成立を予想している。

[インドネシア] 5月5日、国家中央統計局は第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が、▲0.74%だったと発表した。4四半期連続でのマイナス成長。新型コロナウイルス感染者数の減少、経済活動の制限緩和にもかかわらず前期よりマイナス幅は改善したものの鈍い回復となった。GDPへの寄与率が56.93%と最も大きい家計最終消費支出でも▲2.23%であり、政府は3月から一部不動産や新車の税優遇措置で個人消費を促したものの結果は振るわなかった。

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