デイリー・アップデート

2021年5月27日 (木)

[米国] バイデン政権は気候変動対策の一環としてクリーンエネルギー普及を積極的に推進しているが、カリフォルニア州沖の2つの海域で洋上風力発電施策を推進することで同州と5月25日合意。同施策が完成・稼働すれば最大4.6ギガワットの発電量が見込まれ、160万世帯に電力供給が可能になると政権は説明している。5月12日に同政権はマサチューセッツ州沖のVineyard Wind 1を正式承認したが、加州沖の施策は太平洋岸での初の洋上風力発電プロジェクトとなる。

[フィリピン] 5月6日、国家統計庁(PSA)が発表した3月の失業率は7.1%と前月の8.8%から改善し昨年4月以降で最も低水準となったものの、マレーシア(2月4.8%)、インド(2月6.7%)、ベトナム(3月2.4%)と比較すると高水準。昨年3月29日から5月13日までマニラ首都圏と周辺4州で外出・移動制限が厳格化されたため昨年4月の失業率は17.7%にまで達していた。

[日本] 5月の「月例経済報告」によると、景気の基調判断は「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」と、3か月ぶりに下方修正された。緊急事態宣言が再び発令される中で、生産や設備投資が持ち直しており、輸出は緩やかな増加が続いている一方、個人消費がサービス支出を中心に弱い動きとなっているためだ。

[米国/中国] 新型コロナウイルスが中国武漢のウイルス研究所から流出したのではないかという見方が再び注目されるようになる中、5月26日、バイデン米大統領はインテリジェンス機関に対し、「明確な結論に近づける可能性のある情報を収集・分析する努力を強化し、90日以内に報告書を提出するよう」指示した。中国に対し、透明性のある国際的調査に参加し、すべての関連データと証拠にアクセスできるよう圧力をかけ続けるとも述べている。

[オマーン] 5月23日から4日間連続で職を求める民衆の抗議デモが発生している。オマーンでの抗議デモ発生は異例であり、同規模の抗議デモは10年前のアラブの春以来となる。同国北部のソハールと南部のサラーラで最初にデモが発生し、投石するデモ隊に対し治安部隊は催涙弾を発射するなどして衝突した。コロナ禍や原油安で同国の財政が悪化する中、政府支出や補助金の削減、付加価値税の導入などで国民の不満は高まっている。昨年即位したハイサム国王の下では初めてのデモであり、対応が注目される。

[米国] 5月26日、バイデン大統領は、エチオピア危機に対する大統領声明を発表。エチオピア・ティグレ州における暴力行為の高まりと人権侵害に強い懸念を表明、現地の関係勢力は停戦し、エリトリア軍等は撤兵すべきと述べた。エリトリア政府は、関係諸勢力と共に平和的な政治解決を目指すよう呼びかけ、翌週には米国政府特使が現地を訪れ、解決に向けた支援を行う旨も明らかにした。

[中国] 政府当局は仮想通貨に対する規制を急激に強化している。5月18日、中国インターネット金融協会など3団体が連名で仮想通貨による投機的取引は控えるよう投資家に訴え、その文書を人民銀行がWeChatでフォローした。21日には、国務院金融安定発展委員会がビットコインのマイニングと取引を取り締まり、リスクの拡散を防止すると表明し、25日には新華社が投資家に取引からの撤退を呼びかけた。同25日夜、内蒙古自治区発展改革委員会は、マイニングやマネーロンダリングなどを厳しく禁じる8項目の措置を公表した。

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