デイリー・アップデート

2021年5月18日 (火)

[日本] 内閣府によると、2021年第1四半期の実質GDP成長率は前期比▲1.3%(年率換算▲5.1%)となり、3四半期ぶりのマイナスだった。内訳をみると、緊急事態宣言の発令もあり、個人消費が同▲1.4%と3四半期ぶりに減少、設備投資も同▲1.4%と2四半期ぶりに減少した。また、これまで内需を下支えしてきた政府消費や公共事業も減少に転じた。輸出は3四半期連続で増加した一方で、輸入の増加もあり、外需全体ではマイナス寄与になった。

[タイ] 5月17日、国家経済社会開発委員会(NESDC)が発表した2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は前年同期比(以下同)▲2.6%だった。2020年第4四半期(▲4.2%)比では、マイナス幅は縮小したものの、前年に続き新型コロナ禍の影響で観光をはじめとする消費が低迷、5四半期連続のマイナス成長となった。民間消費は▲0.5%と前期の+0.9%から落ち込んだ一方、輸出は▲10.5%と前期の▲21.5%からマイナス幅が縮小した。

[イスラエル/パレスチナ] イスラエルによるパレスチナのガザ地区への空爆及びガザ地区からイスラエルへのロケット攻撃は5月10日以来8日間にわたって継続しており、ガザ地区でのイスラエル空爆による死者は212人(子供61人含む)、イスラエル側での死者は10人となっている。16日には国連安保理で3度目の緊急会合が開かれたが、今回も米国がイスラエルに対する非難声明に反対したため、共同声明は出せず。議長国の中国は米国を非難。18日にも安保理の緊急会合が再度開かれる予定。

[米国/EU] 5月17日、タイ米通商代表、レモンド商務長官、そしてドムブロウスキス欧州委員(通商担当)が連名で声明を発表し、鉄鋼・アルミの過剰生産問題をめぐり、米・EU間協議を開始することを明らかにした。第三国による過剰生産によって生じるゆがみから米・EUの鉄鋼・アルミ産業を守るべく、年内に解決策を見出すと述べた。先週行われた議会公聴会においてタイ米通商代表は、中国が過剰生産問題の中心に存在すること、通商拡大法232条に基づく制度を改訂する必要があることなどに言及している。

[ブラジル] 現在新型コロナの感染拡大第2波に見舞われているブラジルでは国民のわずか15%程度しか最低1回のワクチン接種を済ませておらず、ワクチン接種が大幅に遅れており、国民の間でのボルソナロ大統領に対する批判が高まるとともに、ブラジル議会ではボルソナロ政権の新型コロナ対策を調査する委員会も設置。そうした中、ブラジル保健省は10億米ドルを支出して米ファイザー製ワクチンを1億本購入することを決定し、ボルソナロ政権はワクチン戦略を転換した。

[EU] 5月17日、欧州委員会は、持続可能な海洋関連産業を目指す新たなアプローチを発表。新型コロナウイルス禍からの復興やグリーン・ディール(気候変動対策)の一環と位置づけている。ティマーマンス委員(グリーン・ディール担当)は、汚染・乱獲・生息地の破壊は、気候危機と相まって、豊かな海洋生物多様性を脅かすことから、環境保護と経済活動が両立する持続可能なブルー・エコノミー(海洋経済)の発展が必要との見解を発表。

[中国] 5月17日、中国外交部の趙立堅報道官は、発展途上国が求める新型コロナウイルスワクチンの知的財産権免除を支持すると表明した。インドと南アフリカが中心となり、100か国以上が賛同した世界保健機関(WHO)への提案では、ワクチンに限らず全ての新型コロナウイルス関連の医療製品に関する特許・知財権を免除することを求めているが、その他の医療製品については言及しなかった。来月初めに開催されるWHO会議で、この問題が協議される予定になっている。

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