デイリー・アップデート

2022年4月1日 (金)

[米国] 商務省によると、2月の個人消費支出(PCE)デフレータは前年同月比+6.4%となり、1月の同+6.0%から加速し、1982年1月以来の高水準となった。エネルギー価格が同+25.7%と上昇する一方で、変動が大きい食料品とエネルギーを除く、いわゆるコア指数も同+5.4%と上昇、1983年4月以来の伸びとなった。価格上昇が広範に及んでいるため、米国の金融政策では今後も引き締め策が強化されるとみられている。

[中国] 4月1日から、上海の浦西地区(西部)でロックダウン(封鎖)が開始された。5日までの予定となっているが、3月28日から先立って封鎖を開始し1日に解除される予定だった市西部で、危険度が低いとされる少数の地域以外の多くの地域で事実上の封鎖が続いており、浦東地区でも期間が延びることが予想される。3月30日、李強・上海市党委書記は同市幹部に対し、地域全体の「静態管理」と完全な拡散スクリーニングを採用すると述べた。実質的に、より厳しい封じ込め・管理対策をとることを意味するものとみられる。

[ベトナム] 3月末までに国内5か所の火力発電所が運転の一部を停止した。石炭などの国際的な価格高騰を受け国営企業が輸入量を減らしているため燃料炭供給が滞っていることに加え、2月のテト(旧正月)明け以降、新型コロナウイルス感染者数が急増したことを受け北部に集中している炭鉱で採炭作業の効率が落ちていることなどが主な理由。ウクライナ危機のためさらに資源価格の高騰が懸念され、今後電力不足が深刻化する可能性がある。

[ロシア] ロシアの独立系世論調査機関が、ウクライナ侵攻開始後に国民のプーチン大統領への支持率が急上昇したと発表した。調査はモスクワを拠点とするレバダ・センターが3月24~30日に1,632人を対象に実施。プーチン氏の支持率は約83%と、前月から12ポイント上昇し、2017年以降で最高を記録した。「国が正しい方向に向かっている」との回答は17ポイント上昇して69%となり、レバダが1996年に調査を開始して以来最高となったという。

[中国] UBSアジア研究主管の汪涛氏は、3月31日に「財新網」に掲載した論評で、政府は現段階では経済成長よりも防疫の重要性を優先しており、今後数か月間は厳格な防疫対策が維持され、より多くの都市封鎖の可能性があると予想。また同氏は、政府が約5.5%の経済成長率目標を達成するために全面的な景気刺激策を講じることはないと考えており、通年の大部分で厳格な規制が導入されれば、経済成長率が4%に低下する可能性にも言及した。

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