2022年4月12日 (火)
[日本] 日本銀行『企業物価指数』によると、3月の国内企業物価指数は前年同月比+9.5%となり、2月の+9.7%からやや伸び幅が縮小したものの、依然高水準を維持している。内訳をみると、木材・木製品、化学製品、石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄金属など国際商品市況の影響を受けやすい品目の価格が引き続き上昇している。また、「地域経済報告(さくらレポート)」から、川下への価格転嫁は企業や産業によって異なっていることがうかがわれる。
[中国] 4月10日、中国国務院は「全国統一大市場の建設加速に関する意見」を公表した。「国内大循環」を加速するための政策で、より効率的な生産・流通・消費を促進するとしている。外国企業に不利な優遇政策を一掃し、より公正な競争審査を導入することや、地域の保護主義にも取り組むとしている。市場志向型の内容で、実施されれば外資にとって有益である一方、「ゼロコロナ」政策の追求とは矛盾する内容でもあり、地方政府の中には戸惑いの声もあると報じられている。
[米国/インド] 4月11日、バイデン大統領はインドのモディ首相とバーチャル形式で会談。両首脳は、クリーンエネルギー、技術開発、軍事等の分野での二国間関係強化と自由で開かれたインド太平洋地域の実現について合意したという。米日豪印4か国の「クアッド」会談についてバイデン大統領は5月24日を軸に日程調整中と述べ、昨年9月に続き再びモディ首相らとの会談に期待を表明。インドによるロシアからのエネルギー輸入については、最終的にはインド自身の決定であり米国から具体的な要請は行っていないとしつつ、輸入拡大は好ましくない、と政権高官はメディアに対して発言。首脳会談に続き、米印外務・防衛閣僚会談がバーチャル形式で行われた。
[タイ/米国] 3月末、米国通商代表部(USTR)は2022年版の「外国貿易障壁報告書(NTE)」を発表。労働者の権利保護が適切でないことを理由としたタイ向け一般特恵関税制度(GSP)の一部停止が引き続き適用されることとなった。米政府は2020年4月から、タイとの貿易に関して貿易総額の3分の1相当についてGSPの適用を停止している。タイ側は労働関係法案を5月にまとめ改善に取り組むと同時に、商務省は米政府が2023年にGSPの一部停止を撤廃するよう働きかける準備を行っている。
[ウクライナ] マルチェンコ財務大臣は、ロシアの軍事侵略によって起きた財政赤字を埋めるために、数千億ドルの金融支援が必要だと訴えた。同大臣は、侵攻による民間および軍事インフラへの被害はこれまで約2,700億ドルに上ると推計され、国内における約7,000の住宅が損傷または破壊されたと述べた。世界銀行は、今年のウクライナの実質GDP(国内総生産)は前年比45.1%減と、大幅に落ち込むとの見通しを示した。
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