デイリー・アップデート

2022年4月4日 (月)

[中国/EU] 4月1日、習近平国家主席はミシェル欧州理事会議長、フォンデアライエン欧州委員会委員長と電話会談を行い、中・欧関係やウクライナ情勢について協議した。中国側の発表によれば、習氏は「中国と欧州が協力を深化すべき」と主張、また、「欧州は中国に対する自律的な認識と対中政策を形成・追及すべき」として、米国と異なる政策を取るよう要請した。ウクライナ問題に対する欧州側の要請にはゼロ回答だった。中国側からは会談終了前に会談要旨が発表され、会談成果への期待の低さが示された。

[パキスタン] 4月3日、アルビ大統領が下院を解散した。カーン首相はテレビ演説で解散を大統領に進言したと表明した。下院では同日に首相不信任決議案の採決が行われる予定だったが、下院副議長が採決の動議を却下した。カーン首相の不信任決議の成立を回避する狙いがあったとみられる。憲法は解散から90日以内の選挙実施を定めているが、野党勢力は副議長の判断の合憲性を争って最高裁に提訴しており、解散が無効となる可能性がある。

[サウジアラビア/イエメン] サウジアラビア主導連合軍、イエメン政府およびイエメンの反政府武装勢力フーシ派は、国連の仲介で、イスラム教のラマダン(断食月)の開始をきっかけに4月2日から2か月間の停戦に合意した。イエメン国内における陸・海・空全ての攻撃を停止することに加え、越境攻撃の停止も含まれる。また、首都サナアの空港における少数の商業便の運航やホデイダ港への燃料船の入港も許可され、イエメンの人道状況が多少は改善することが期待される。今後も双方の捕虜交換に向けての交渉などが継続される。

[米国/ロシア] 米イェール大学のゾネンフェルド教授らが作成・公表しているロシア事業継続企業リストにおいて、トランプ政権で駐露米国大使に就任したジョン・ハンツマン元ユタ州知事の父親が創立した米石油化学企業ハンツマン・コーポレーションが、ロシア事業継続企業リストの5分類では最悪の評価である「ロシア事業継続企業リスト(”digging in”)」(評価:F)に新たにリストアップされた。ロシアの事業を継続している企業に対する撤退圧力が強化されつつある。

[パキスタン] 4月1日のパキスタン統計局の発表によると、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+12.7%となり、前月の同+12.2%を上回った。前年同月は同+9.1%だった。高インフレに伴い2021年9月以降累計2.75ポイントの利上げを実施しているものの、ウクライナ情勢の悪化や米国の利上げによりさらにインフレが進み、利上げをしても抑制効果は期待できない可能性がある。

[米国] 労働省によると、3月の非農業部門雇用者数は前月比43.1万人増となった。レジャー・接客業、専門ビジネスサービス、小売業など幅広い業種で雇用が増加した。失業率は3.6%となり、2月から0.2pt低下し、感染拡大前の2020年2月の3.5%に近づいた。平均時給は前年同月比+5.6%上昇となり、ここ3か月+5%超で上昇しているものの、物価上昇率に追いついておらず、実質購買力は低下している。

[ハンガリー] 欧州連合(EU)加盟国のハンガリーで4月3日、議会選挙(一院制、定数199)が行われ、強権政治でEUと距離を取るオルバン首相率いる右派与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が、反オルバンで結集した野党連合を破り、勝利を確実にした。オルバン氏は首相として連続4選(通算では5選)される見通しとなった。

[中国] 4月2日付の「財新網」によると、3月28日以降の上海港におけるコンテナ船の平均接岸待ち時間は24時間以下、接岸待ちの船舶は平均10隻以下であり、上海港を管理している上海港集団は、300隻以上の船舶が積み下ろし待ちなどという情報やスクリーンショットは事実でないと否定した旨を伝えた。だが、感染拡大防止措置の影響で上海港までの陸路による貨物輸送が停滞しているため、上海港集団では、コンテナを太倉、蘇州などで集荷し、そこから海路で上海港まで輸送するなどの措置を講じているという。

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