デイリー・アップデート

2022年4月8日 (金)

[日本] 財務省『国際収支統計』によると、2月の経常収支は1兆6,483億円となり、3か月ぶりの黒字となった。貿易収支が1,768億円と引き続き赤字となった一方で、第一次所得収支が2兆2,745億円の受取超となったことで、経常収支全体の黒字は維持された。また、サービス収支は2,035億円の支払超となり、支払額が拡大している。

[米国] 4月7日、上院はロシアとベラルーシに対する、いわゆる「最恵国待遇」を撤回するための法案を、賛成100票、反対0票で可決。同法案は下院でも再可決され、今後、大統領署名を経て、成立する見込み。これによってロシアから米国に輸入される物品には北朝鮮、キューバに適用される水準の関税が賦課される。欧州各国や日本も同様の措置を講じる予定で、ロシアはWTO加盟国でありながらも、その恩恵を得られないことになる。

[米国/中国] 米議会は4月9日から25日まで2週間の長期休会に入る。ペロシ下院議長は米議員団を率いて日本、台湾を訪問する予定だったが、外遊直前に新型コロナ検査で陽性が判明し、アジア外遊が後日延期となったと同議長のスタッフが発表した。大統領継承順位第2位の下院議長が前回台湾を訪問したのは25年前、1997年のギングリッチ議長である。バイデン政権は3月に、マレン元統合参謀本部議長率いる超党派の非公式代表団を台湾に派遣している。

[タイ] 4月5日、商務省は2022年3月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+5.73%だったと発表した。約13年ぶりの高水準となった2月(+5.28%)をさらに上回った。前月比では+0.66%。価格の変動幅が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた、コアCPIは+2.00%。うち、食品・飲料の価格は+4.56%となり、調味料が価格を押し上げた一方、米・粉製品は▲4.15%だった。ロシアによるウクライナ侵攻に対するロシアへの制裁、資源価格の上昇などにより国内の物価上昇が加速している。

[ロシア] 4月7日、ミシュスチン首相はロシア下院で政府活動に関する年次総括報告を行い、「欧米諸国による対ロシア経済制裁によってロシアは過去30年で最も困難な状況に直面している」と述べた。

[米国/中国] 米中ビジネス評議会(The U.S.-China Business Council)は4月5日、「米国の対中輸出レポート2022」を発表した。米国の2021年度の対中物品輸出は前年比21%増の1,490億ドルだったのに対し、サービス輸出は最新の2020年のデータで前年比33%減の373億ドルだった。感染症流行で、旅行者や留学生の数が減少したことが影響した。2020年度、対中輸出によって支えられている米国内の雇用の数は、サービス輸出の減少を反映し、同5%減の85万8,436人だった。

[イスラエル] 4月7日夜、テルアビブ中心部のバーで銃撃事件が発生し、2人が死亡、12人が負傷した。死亡した2人は20代で、犯人は逃走中。イスラエルでは3月下旬に3件の無差別テロ事件が発生し、合計11人のイスラエル人が殺害されており、警戒が呼び掛けられていた。4月2日からはイスラム教断食月のラマダンが開始し、4月15日からはユダヤ教の過ぎ越しの祭りが始まる。5月にはイスラエル建国に伴う記念日やエルサレム統一記念日などもあり、5月にかけて同地における衝突リスクが高まると見られている。

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