デイリー・アップデート

2022年4月15日 (金)

[南アジア/東南アジア] 3月30日、ビデオ会議で第5回「ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)サミット(首脳会合)」が開催された。議長国はスリランカ。軍政下のミャンマーも出席(軍評議会外務省ワナ・マウン・ルイン大臣)した。同サミットは2018年以降開催されていなかったが、2021年のコロンボ大臣会合の際、インドのモディ首相が域内自由貿易協定(FTA)を提案するなど、同枠組み強化に向け積極的に動いている。

[欧州] 4月14日に開催されたECB理事会では、政策金利の据え置きが決定された。また、資産買い入れプログラム(APP)についてこれまで同様に4~6月に買い入れ額を縮小し、第3四半期に終了する予定を示した。また、利上げについては、APP終了からしばらくしてから緩やかに開始するとしており、開始時期を明示しなかった。足元で不確実性が高まる中での金融政策において、選択性・漸進性・柔軟性を維持する姿勢を示した。

[ウクライナ] 米国のシンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)は、ウクライナ・ロシアの戦争後にウクライナに対する復興計画(新マーシャルプランのようなもの)を発表した。最大5,000億ユーロ(約6.8兆円)を投入し、ロシア軍による大規模な破壊からの早期復興を支援し、ウクライナのEU加盟手続きを加速させる計画である。

[韓国] 4月15日、政府は新型コロナウイルスの感染防止策として、飲食店などの営業時間を深夜0時まで、私的な集まりの人数を10人までとしていた制限を4月18日から解除すると発表した。マスク着用義務は継続するとしている。映画館や室内施設での飲食禁止措置も25日に解除する。新規コロナ感染者が3日連続で20万人を下回り、減少傾向にあることを受けた措置だとしている。

[シンガポール] ◇4月14日、リー・シェンロン首相が与党人民行動党(PAP)の第4世代リーダーにローレンス・ウォン財務相が就任すると発表。次期首相の最有力候補となることを意味する。2021年4月、ヘン・スイキャット副首相兼財務相(当時)がリーダーから退くと表明した後、次期首相の展望は不透明になっていた。◇同14日、2022年1-3月期(第1四半期)の実質GDP成長率(速報値)は前年同期比+3.4%、前期比+0.4%だったと発表された。前期(前年同期比+6.1%、前期比+2.3%)から減速。◇また同日、金融通貨庁(MAS)が為替レートの誘導手段の政策バンドの傾きをわずかに引き上げ、政策バンドの中央値も引き上げた。2021年10月、2022年1月に続く3回連続の金融引き締め。MASは物価上昇の見通しを金融引き締めの理由と説明した。2022年のコアインフレ率の見通しを従来の+2.0~+3.0%から+2.5~+3.5%、CPI上昇率の見通しを+2.5~+3.5%から+4.5%に引き上げた。

[サウジアラビア] サウジ巡礼省は、7月に行われるイスラム教徒による聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)に関し、国内外からの参加者を計100万人に制限することを明らかにした。参加できるのは、65歳以下でワクチン接種済みの人のみ。コロナ禍前の2019年には250万人が参加していたハッジだが、コロナ禍で2020-21年は国内在住者のみ数千~数万人の参加に限定された。宗教観光の強化はビジョン2030でも謳われており、サウジ経済にとっても重要。まだ全盛期より参加人数は少ないが、ポスト・コロナに向けて着実に動き始めている。

[米国] 4月13日、イエレン財務長官は首都ワシントン市内で講演。「対ロシア制裁に加わらず、制裁回避の「抜け穴」を提供する国家を国際社会は見逃さない」と警告し、国際秩序の将来を守るべく、ロシアを経済的・戦略的孤立へと追い詰めていくと発言した。また、中国を名指しして、そのロシア寄りの姿勢を批判するとともに、今後、信頼できる国家間でサプライチェーンの強靭化を図り、国際金融システムの機能強化を図るべきタイミングが訪れているとも述べた。

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