デイリー・アップデート

2022年4月20日 (水)

[日本] 財務省『貿易統計』によると、3月の輸出は8兆4,609億円となり、前年同月比+14.7%と13か月連続で増加した。輸入は8兆8,733億円、+31.2%と14か月連続で増加した。差し引きは▲4,124億円となり、8か月連続の貿易赤字だった。輸出金額が+14.7%と増加する一方で、輸出数量は▲1.5%と2か月ぶりのマイナス。輸出価格が+16.4%と上昇しており、価格要因がけん引役だった。

[中国/ソロモン諸島] 4月19日、中国外交部はソロモン諸島と安全保障協定を締結したと発表した。3月下旬、SNS上に安全保障協定の草案が流出し、豪州政府は草案を本物と認定、ソロモン諸島に懸念を伝えていた。3月末には中国政府も協議を進めていることを認めていた。協定の内容や両国外相が署名した日時は公表されていない。草案によれば、 ソロモン側は社会秩序維持のため中国に武装警察や軍の派遣を要請できるとあり、また、中国は必要に応じてソロモン側の合意を得て船舶の寄港や物資補給を行えるという内容が盛り込まれている。

[NZ/シンガポール] 4月19日、NZのアーダーン首相が訪問中のシンガポールで同国のリー・シェンロン首相と会談。共同声明では、経済、安保、科学技術、人的交流、気候変動とグリーン・エコノミーの二国間協力、CPTPP、RCEP、デジタル経済連携協定(DEPA)などの多国間協力、ウクライナ戦争、自由貿易、南シナ海、ミャンマーなど世界情勢に関する協力が表明された。共同記者会見で、米国のTPP復帰について、リー首相は「米国の内政事情のため現時点では不可能で、交渉はしていない」と述べ、アーダーン首相も「現実的な選択肢ではない」との認識を示した。しかし両首脳は「米国の地域への関与を望む」として、米国が構想するインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)について、リー首相は「可能な限り実質的な協力をしたい」と述べた。中国と台湾のTPP加入申請には言及がなかったが、中国と韓国のDEPA加入申請については、両首脳は歓迎すると述べた。

[イスラエル/パレスチナ] 4月18日、パレスチナ自治区のガザ地区からイスラエルに向けてロケット砲が発射され、イスラエル側はこれを地対空ミサイル防衛システム「アイアンドーム」で迎撃した。犯行声明等は出ていないが、先週末にエルサレム旧市街のアルアクサー・モスクで発生したパレスチナ人とイスラエル警察との衝突に関して、イスラム主義組織ハマスは「いかなるアルアクサー・モスクでの事案もレッドラインとなりうる」と警告を発していた。ロケット砲に対する報復として、イスラエルは19日早朝にガザ地区のハマスが所有する武器工場を空爆した。

[米国/ウクライナ/ロシア] ロシア軍はウクライナ東部ドンバス地方を制圧するための大規模な攻撃を開始し、ロシアのウクライナ侵攻は新たな局面に入りつつある。バイデン政権はロシア軍の攻撃に対してウクライナ政府軍が反撃することができるよう、先週実施したのと同規模の8億ドルの対ウクライナ追加軍事支援を今週中に発表することを決定した。また、バイデン大統領は4月19日に実施した同盟国等の首脳らとのビデオ会議で、対ウクライナ支援についても緊密に協議し対応することで一致した。

[アルメニア/アゼルバイジャンン] 係争地ナゴルノカラバフを巡り対立が続いているアルメニアとアゼルバイジャンの首脳は4月6日、欧州連合(EU)の仲介で会談し、和平交渉を行うことで合意した。両国は、2020年に紛争が起きたナゴルノカラバフ自治州をめぐり再び緊張が高まっている。アゼルバイジャンは3月24日、アルメニアの支配地域に進軍。アルメニアの同盟国で停戦を仲介したロシアは「停戦合意違反だ」と非難した。

[中国] UBSアジア経済研究主管の汪涛氏は、4月19日、「財新網」への投稿で、本年1Qの経済情勢と4月の実情を踏まえ、以下の予測を述べた。◇政府の最優先事項は新規感染者・死者数抑制でゼロコロナ政策は簡単に放棄されない ◇政策支援は追加されるが急進的な刺激策はない ◇物流の遮断・遅延が工業生産、建設、ひいては輸出、不動産販売に影響 ◇本年2QのGDP伸び率は前年同期比+3.3%に鈍化し、通年は同+4.2%と予想、+4%割れの可能性もあり、楽観的なシナリオでも政府目標の5.5%達成は可能性ゼロ ◇内需の弱さなどを踏まえ、CPI +2.4%、PPI +4~+4.5%と予想。

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