デイリー・アップデート

2022年4月7日 (木)

[アジア] 4月6日、アジア開発銀行(ADB)は最新の「アジア経済見通し(ADO)」を発表。アジア新興国の2022年の実質GDP成長率見通しを+5.2%とし、2021年12月時点の+5.3%から下方修正した。中国は+5.3%から+5.0%に引き下げた。東アジアは+4.7%、ASEANは+4.9%と、それぞれ2021年12月時点の+5.0%、+5.1%から引き下げた。アジア新興国の2023年成長率は+5.3%の見通し。2021年は+6.9%だった。

[米国] 4月6日、FRBは、3月15~16日開催のFOMC議事要旨を発表した。それによると、FOMC参会者の多くが50bpの利上げが望ましいと指摘しつつも、ロシアのウクライナ侵攻に伴う不確実性を考慮して25bpの利上げを適切と判断していたことが明らかになった。また、バランスシートの縮小について早ければ次回5月会合後に開始すること、また削減ペースについては前回の削減局面よりも速い最大月額950億ドル規模で削減することなどでおおむね意見が一致していた。

[中国] 4月6日、上海では新型コロナウイルスの新規感染者が1万7,007人報告され、5日連続で同市の記録を更新した。3月から現在までの累計では11万人を超え、2020年の武漢よりも多い数となっている。現在、隔離用のベッドが1万床以上不足しており、上海市は急遽、中国国家会展(コンベンション)センターを臨時医療施設に改築し、4万床以上を設置すると発表した。また、江蘇省と浙江省は、それぞれ3万室を上海の陽性患者近親者の隔離用住宅として提供するとしている。

[米/ロ] ロシア軍撤退後のウクライナ各地において民間人の殺害が次々と明らかになる中、4月6日、バイデン政権は対ロシア追加経済制裁を発表。追加経済制裁の柱は、対ロシア新規投資の禁止、ロシア最大の銀行ズベルバンク等の資産凍結、プーチンの二人の娘やロシア安全保障会議メンバーの資産凍結、ロシア国営企業との取引禁止となっている。

[中/ロ] 中国の国営石油精製業者Sinopec、CNOOC、PetroChina およびSinochemは、既存のロシアとの石油契約を尊重しているが、大幅な割引提示にもかかわらず新規のスポット契約締結は避けている。中国当局の助言に従い、西側の制裁強化に関連してロシアとの新たな取引について慎重な姿勢を保っているようだ。

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