デイリー・アップデート

2019年10月21日 (月)

[日本] 政府が公表した10月の『月例経済報告』では、景気の総括判断は「景気は、輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」と、5か月ぶりの下方修正となった。ただし、2018年1月以降、「緩やかに回復」という表現が続いている。個人消費は持ち直しており、内需は底堅く推移している。一方、米中貿易戦争や中国経済の減速、Brexitなど先行き不透明感もあり、輸出は前年の水準を下回っている。

[メキシコ] 8月の鉱工業生産は前月比+0.8%と回復。製造業は縮小したが鉱業や建設業がどちらも急伸し全体を牽引。鉱工業生産は前年比では▲1.3%で11か月続落しており、鉱業と建設業の不振が主因だったので、8月で続落傾向が底を打ったのかは今後要確認。メキシコ鉱工業界の成長率は、産油量の減少による鉱業の永続的な下落、および財政赤字削減のためのインフラ公共投資の減少による建設業の低迷などから長年低迷している。メキシコ鉱工業界の良い点を挙げるとすれば、輸出志向の製造業が唯一前年比では拡大を継続していること。

[スイス] 10月20日に総選挙の投票が行われた。暫定開票結果によれば、環境系政党の「緑の党」と「自由緑の党」の得票率が拡大した。「緑の党」は2015年の7.1%から今回13%に、「自由緑の党」は4.6%から7.9%に、それぞれ増加した。一方で、既存諸政党は、右派の「国民党」(▲3.6%ポイント)、左派の「社会民主党」(▲2.2%ポイント)、右派の「急進民主党」(▲1.1%ポイント)と中道右派の「キリスト教民主党」(▲0.2%ポイント)が、それぞれ2015年総選挙時の得票率から後退した。

[韓国] 東洋経済日報によると、サムスン電子は2025年までに13.1兆ウォン、LGディスプレーは2022年までに7.6兆ウォンを、次世代ディスプレーなどの開発・量産に投資することをそれぞれ決定した。サムスンは、既存のLCDラインを段階的にQD-OLED(量子ドット-有機発光ダイオード)生産に転換し、高品質の次世代テレビ用パネルで新たな成長エンジンを獲得する計画。LGは、10.5世代のLCDラインの増設と車載用ディスプレーへの投資を予定。BOEなど中国勢との差別化や供給過剰による影響回避を狙う。

[インドネシア] 10月20日、ジャカルタでジョコ・ウィドド大統領、マアルフ・アミン副大統領の就任式が行われた。ジョコ大統領はインドネシアが独立100周年を迎える2045年にGDPを7兆ドルに引き上げ、世界でトップ5の経済大国入りを目指すと宣言、そのために構造改革を進めるとの決意を表明した。閣僚人事は10月21日朝に発表予定。就任式には中国の王岐山国家副主席、シンガポールのリー・シェンロン首相、マレーシアのマハティール首相、豪州のモリソン首相、日本の中山外務政務官らが出席した。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。