デイリー・アップデート

2019年10月2日 (水)

[ロシア] マークイットが発表した9月のロシア製造業購買担当者景気指数(PMI)は46.3と、前月の49.1から低下し、2009年5月以降で最低となった。生産と新規受注が大きく縮小した。ロシア経済は停滞が続いており、経済発展省は2019年の年間成長率+1.3%を予測している。

[イタリア] 9月30日、連立政権は、付加価値税の増税を回避するという公約を守るため、2020年の財政赤字目標を2.1%から2.2%に引き上げると発表した。また、財政赤字の増大を抑止するため、政府は脱税者に対する罰則を厳格化する予定。これにより、政府歳入が70憶ユーロ増加することを目標としている。

[米/中] 米国のペイパル(Paypal)社が中国国内でのオンライン決済サービスの事業資格を取得した。同社が100%出資する「美銀宝信息技術(上海)有限公司」が、中国で「国付宝(Gopay)」と言うオンライン決済サービスを提供する「国付宝信息科技有限公司」の株式の70%を購入することで合意、9月30日、中国人民銀行がこれを認可した。国内市場はすでに「微信支付(Wechat Pay)」と「支付宝(Alipay)」の2社が席巻しているため、Paypalは越境EC分野で優位性を発揮するとの観測がある。中国政府による国内金融市場の開放政策の一環と見られる。

[WTO] 世界貿易機関(WTO)は貿易摩擦の高まり、世界経済の減速により2019年の貿易の伸び率の見通しを4月時点の+2.6%から+1.2%へと大幅に下方修正した。2020年は2019年から伸びが回復する見込みであるが、4月時点の+3.0%から+2.7%へとやはり下方修正している。2019年・2020年の実質経済成長率の予測はともに2.3%。2019年についてはモノの貿易量の伸び率が実質GDP成長率を下回る「スロートレード」に陥ることになる。

[米国] 米供給管理協会(ISM)が公表した9月の製造業総合景況感指数(PMI)は47.8となり、前月(49.1)から2か月連続で50割れとなった。これは、2009年6月以来の低水準。貿易戦争の中、受注が減少しており、その悪影響が製造業に広がりつつあることが確認できる。ISMは、9月のPMI(47.8)に対応するGDP成長率が年率1.5%になるとみており、潜在成長率を下回るものの、プラス成長は維持できるとしている。また、FRBに対する市場からの緩和期待も高まるとみられる。

[アルゼンチン] 非常に高いインフレ率と長引く不況で実質賃金が減少し、2019年前半の貧困率は前年比8.1%ポイント増の35.44%にまで上昇した。マクリ大統領は2015年の選挙戦で「貧困率ゼロ」の達成を公約しており、今回の選挙戦でもこれが最後まで付きまとい、再選は厳しいと予想されている。

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