デイリー・アップデート

2019年10月31日 (木)

[南アフリカ] 10月30日、財務大臣が第2回中期財政政策声明を発表し、2月の第1回発表時から財務および債務の見通しを更新した。当初政府は今期の財政赤字をGDP比4.5%と見ていたが、今回声明では今年度と翌年度の数値を同6%以上へと変更した。また、2022年までに政府債務はGDP比70%近くまで急増しその後も上昇し続けるとした。今回の悲観的な見通しの発表を受けて通貨ランドは対ドルで2%下落した。

[フランス] ”Paris Games Week 2019”の開催に先立つ10月29日、オ・デジタル担当副大臣とマラシネアヌ・スポーツ大臣がフランスの2020年~2025年のeスポーツ国内戦略に関する講演を実施した。重要点はフランスがeスポーツの発展に安定した環境を確立するために、規制を強化し、生態系の醸成(プロプレイヤーの養成、研修など)を支援する予定。フランス政府は2025年までにフランスのeスポーツ業界がEUで1位になることを目標にしている。

[ベルギー/中国] 10月29日付ベルギーの”De Morgen”紙の報道によると、ブリュッセル自由大学(VUB)内の孔子学院の宋新寧院長は北京のオーストリア大使館を通じてシェンゲン・ビザを申請していたが、スパイ行為の科により発給を拒否され、今後8年間、欧州シェンゲン協定に参加する26か国への入国も拒否された。宋氏は元々中国人民大学国際関係学院の教授で、2016年にVUB孔子学院長に就任、中国国家安全部の耿(こう)恵昌・前大臣との密接な関係を認めており、中国人留学生やビジネスマンの内通者を募っていた証拠もあるという。

[タイ] 10月29日、ワチラロンコン国王は、不貞と暴力的行為があったことを理由に王室警護隊員4人(2人は寝室の警護を担当)を解雇した。国王は先週、側室の称号を剥奪し、王室の高官6人を解雇したばかり。

[イラク] 事前の予定通り、10月25日から反政府デモが再開されたが、29日のカルバラーでのデモにおいて18人のデモ参加者が死亡したとの報告を受け、その後デモの勢いがさらに増している。30日には、政府庁舎や各国大使館の集まるグリーンゾーンに対する砲撃があり、米国大使館の近くに着弾しイラク兵1名が死亡した。デモ参加者は、公共サービスの改善で成果を上げていないアブドゥルマハディー政権の退陣を求めている。

[タイ] 現地報道によると、タイ投資委員会(BOI)は、2019年の中国企業の生産移転に伴うタイへの投資申請額が、前年比30%増の715億バーツ(約2,600億円)となるとの見通しを発表した。米中貿易摩擦の影響を回避するため、中国企業のASEAN諸国への生産移転が続いている。1~9月の中国企業による投資申請額は前年同期比100%増の450億バーツ。ゴム産業、タイヤ産業が大半。

[米国] 10月29~30日に開催されたFOMCで、FF金利の誘導目標を0.25pt引き下げ、1.50~1.75%とすることが決定された。利下げは3会合連続。労働市場は力強く、個人消費が堅調な一方で、設備投資と輸出が弱いためとしている。今後について、前回まで含まれていた「適切に行動する」という文言が削除され、その代わりに「FF金利の適切な道筋を精査する」という表現が加えられた。FRBは一連の利下げを「予防的」としており、利下げは一旦打ち止めという姿勢を示している。

[ロシア] 10月30日デンマークは、建設中のロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」について、デンマーク領海での建設を許可したと発表した。米国などが反対する中、デンマークが許可を保留していたため、事業の遅れが懸念されていた。ロシアは計画通り年内の完工を急ぎ、エネルギーを通じた欧州への影響力を高めるとみられる。

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