デイリー・アップデート

2019年10月18日 (金)

[日本] 総務省によると、9月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+0.2%、生活実感に近いとされる「持家の帰属家賃を除く総合」は同+0.3%だった。これら低調な上昇率は、生鮮食品やエネルギー価格の低下の影響を受けたもの。10月には、消費税率引き上げによって上昇ペースが加速する。前回消費税増税が行われた2014年4月に比べて、消費税の影響を除いた物価の基調自体が強くないため、物価変動を加味した実質購買力の低下幅は以前よりも小さくなる。ただし、負担増には変わりないため、今後の動向が注目される。

[アルゼンチン] 9月のインフレ率は前年比+53.5%、前月比+5.9%。前年比では若干減速が見られたが、前月比は8月の急伸から更に加速している。生鮮食品、ベーカリー製品、クラッカー・クッキー類、鶏肉、乳製品などで著しい価格上昇が見られた飲食品に加え、自動車、タバコ、医薬品、家具、娯楽、ホテル・レストランなどでの価格上昇が全体を牽引した。なお、コアインフレ率は前月比+6.4%、前年比+55.3%。また、8月の卸売物価指数は前年比+61.6%だった。

[米国] 10月17日、トルコを訪問していたペンス副大統領、ポンペオ国務長官らは、シリア北部における停戦についてトルコと合意したと発表。トランプ政権が発表した合意内容によると、トルコ軍は5日間にわたり軍事作戦を一時停止し、その間、米国はクルド人戦闘勢力の退避を支援。退避完了を受けて、トルコ軍は戦闘行動を終了させることになっており、米国は先に発表した対トルコ経済制裁を発動しない旨を約した。

[中国] 10月18日、中国国家統計局は、第3四半期の実質GDP成長率が前年同期比+6.0%だったと発表、第2四半期の同+6.2%からさらに伸びが低下し30年ぶりの低水準となった。長期化している米国との貿易戦争、製造業・投資の冷え込みが主因。同日発表の9月の中国小売売上高は前年同月比+7.8%、鉱工業生産は同+5.8%増とそれぞれ前月の同+7.5%、同+4.4%から加速した。一方、1~9月の固定資産投資は前年同期比+5.4%と1~8月の同5.5+%から伸びがやや低下した。

[ウクライナ] 最新の世論調査によると、ゼレンスキー大統領の支持率は少しずつ低下している。9月に73%だった支持率が、10月現在66%まで低下。主な理由は、10月に入って決定されたロシアに有利とみられている東部での和平合意や農地売却の改革などへの反対意見の増大。そして、米トランプ大統領をめぐるウクライナ疑惑の問題なども影響があるもよう。

[スペイン] 10月14日のカタルーニャ自治州の独立派リーダーに対する禁固刑と罰金刑の判決以来、同判決を不服とし独立を支持する住民は4日連続で激しい抗議デモを続けている。デモ参加者と警察で合計130名以上の負傷者が出た。各地のデモ参加者は18日にバルセロナで合流する予定としており、同地で大規模な抗議デモが行われるとみられている。

[中国] 10月18日に中国国家統計局が公表した、2019年第3四半期の経済成長率は、前年同期比+6.0%、1~9月通期で同+6.2%であった。(1Q:+6.4%、2Q:+6.2%)鉱工業生産は、1~6月期:前年同期比+6.0%のところ、1~9月期:同+5.6%、固定資産投資は、前者:+5.8%、後者:+5.4%、小売売上高は、前者:+8.4%、後者:+8.2%とそれぞれ減少した。

[トルコ] ペンス米副大統領、ポンペオ米国務長官他が急遽トルコを訪問し、エルドアン大統領と会談。クルド人主体のシリア民主軍(SDF)がシリア北部のトルコ国境から約30㎞の範囲内から撤退することを条件に、トルコは5日間(120時間)の戦闘一時停止に合意した。5日後の10月22日、エルドアン大統領はソチでプーチン大統領と会談予定。米議会はこれらの動向に関わらず、さらに強力な対トルコ制裁を超党派で可決すべく手続きを進めている。エルドアン大統領は11月13日に訪米の予定。

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