デイリー・アップデート

2020年1月9日 (木)

[米国] 1月8日、トランプ大統領はホワイトハウスにて演説を行い、イラクにおける米軍拠点へのミサイル攻撃に対して、軍事的報復は行わない意向を表明。イランに対して追加経済制裁を課すものの、JCPOAに代わり、イランのテロ支援と核開発を止めるための合意が必要であると国際社会とイランに呼びかけた。IS対策など、米国とイランが協調できる余地があるとも発言。

[世界銀行] 世界銀行は、1月8日に発表した「世界経済見通し」において2020年の世界全体の実質経済成長率を+2.5%と予測した。2019年6月時点の予測から0.2ポイント下方修正。米中貿易摩擦などが響き、先進国の貿易や製造業等の活動が想定以上に弱いことが下方修正の理由。ユーロ圏、中国、インドの成長率などを引き下げたが、日本については+0.7%で据え置いた。

[日本] 内閣府が公表した「消費動向調査」によると、12月の消費者態度指数は39.1となり、3か月連続で上昇した。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」と消費者マインドが回復していることがうかがえる。その中で「雇用環境」に対する見方が回復していないことが注目される。2019年11月の完全失業率は2.2%と低水準だった一方、有効求人倍率は1.57倍と高水準ながらも昨年春以来下降トレンドが続いている。雇用環境のピークアウト感が消費者マインドの重石になっている可能性がある。

[サウジアラビア] 12月のPMIは56.9と、11月の58.3から下落。主に新規受注の競争激化が要因。新規受注、雇用、仕入、仕入価格はいずれも上昇したが、仕入を除くといずれも11月からは減速。見通しは強気を維持。

[ロシア/トルコ] 1月8日、ロシアからトルコへ天然ガスを送るパイプライン「トルコ・ストリーム」が稼働を開始した。プーチン大統領はトルコのイスタンブールで、同国のエルドアン大統領と稼働式典に出席した。被供給国への影響力の拡大を図るロシアは、欧州向けパイプライン網のさらなる拡大も視野に入れている。

[中国] 米国在住の中国人で社会・経済学者の何清漣女史は、年初のコラムで、「ニュージーランドを除く『ファイブ・アイズ』各国が、反スパイ法、反浸透法などを活用して、中国の影響力を排除しようとする動きを開始しており、中国政府はこれを国際反中包囲網だとして強く反発している」と指摘。直近の例では、英ジョンソン政権が計画中の英国版反スパイ法と外国人代理人法を挙げた。また、1週間後のコラムでは、大晦日に台湾で可決された海外勢力のロビー活動や選挙介入などを禁ずる「反浸透法」を野党国民党が「緑色(=民進党)テロ」だと非難していることに対し、台湾にも蔓延している「紅色(=中国)浸透」に対する認識を高めるべきだと反発した。

[お休みのお知らせ] 2020年1月10日のデイリーアップデートはお休み致します。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

16人が「いいね!」と言っています。