デイリー・アップデート

2021年12月10日 (金)

[米国/中国] 12月8日、米下院は新疆ウイグル自治区でのウイグル族弾圧や強制労働に対し制裁を科す「ウイグル強制労働防止法案」を賛成428、反対1で可決した。例外と認められたものを除き、同自治区内で製造された製品は製造者が証明しない限り、奴隷労働によって製造されたと推定され、輸入を禁止する内容。上院では同様の法案がすでに可決されている。この法案が成立するためには、上院を通過した上で、バイデン大統領が署名する必要がある。

[サウジアラビア/GCC] サウジアラビアのムハンマド皇太子が12月6~10日の期間で湾岸協力会議(GCC)の5か国(オマーン、UAE、カタール、バーレーン、クウェイト)への訪問を実施。イランの問題に加え、イエメン、シリア、リビア、パレスチナなど地域の諸問題についての話合いがなされたもよう。12月14日にサウジでGCCサミットが開催されるため、その事前調整の意味合いもある。なお同皇太子がカタールを訪問するのは、2017年にサウジやUAEなどがカタールと断交して以降では初めてのこと。

[ウクライナ] ロシア軍部隊のウクライナ侵攻を阻止する目的でバイデン政権が欧州の同盟国と共に対ロシア追加経済制裁措置の具体策について調整を図る中、バルト海経由でロシア産天然ガスを欧州向けに輸出する ”Nord Stream 2” パイプラインの停止をバイデン政権は検討している。12月8日に発足したばかりのドイツのショルツ中道左派連立政権が ”Nord Stream 2” パイプラインの停止を検討する方針であることを、複数のバイデン政権関係者が説明している。

[米国] 労働省によると、12月4日までの1週間の新規失業保険申請件数は18.4万件となり、前週から4.3万件減少した。11月20日までの週よりも少なく、1969年9月以来、約52年ぶりの低水準となった。11月27日までの継続受給者数は199.2万人となり、新型コロナウイルス感染拡大後の最少となった。雇用回復の継続が確認できたといえる。しかし、足元ではオミクロン株の感染拡大が懸念されていることもあり、今後の雇用動向を注視する必要がある。

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