デイリー・アップデート

2022年4月27日 (水)

[米国/イラン] 4月26日、ブリンケン米国務長官が上院外交委員会の公聴会で証言し、イラン核合意(JCPOA)への復帰がイランの核開発を止める最善の方法であると主張した。同長官は、トランプ前政権の政策は何も結果を出せず、逆にイランの核爆弾保有までに要する時間を「1年間」から「数週間」に減じることになってしまったと発言。米国とイランがJCPOAに復帰するための間接交渉は2021年4月に開始。今年2月には合意間近との報道が出たが、イランの革命防衛隊に対する外国テロ組織指定解除の問題で交渉は止まっている。

[韓国] 4月26日、韓国銀行(中央銀行)は2022年第1四半期(Q1、1~3月期)の実質GDP成長率(速報値)が前期比+0.7%、前年同期比は+3.1%であったと発表した。民間消費や投資がマイナス成長したものの、半導体需要と市況が回復する石油化学や鉄鋼の好況などを受け堅調な輸出が全体をけん引し、2020年第3四半期以降7期連続のプラス成長となった。第2四半期以降は、ウクライナ情勢などの影響で2022年実質GDP成長率の政府目標である+3%の達成は困難とみられる。

[米国] 商務省によると、3月の「非国防資本財(除く航空機)出荷」は前月比+0.2%となり、13か月連続で増加した。これを踏まえると、2022年第1四半期には民間設備投資が米経済成長率を押し上げたとみられる。また、設備投資の先行きを表す「非国防資本財(除く航空機)受注」は同+1.0%となり、2か月ぶりのプラスに転じた。ならしてみれば、受注は増加基調を維持しており、ウクライナ危機など先行き不透明感が広がるものの、今後の設備投資の増加が期待される。

[中国] 上海のロックダウン開始後1か月が経ち、国際金融センターとしての上海の発展に疑問を投げかける海外メディアの報道が増えている。FTは資本取引の自由化や情報の透明性に加え、移動の自由も保障されないことが明らかになったとし、ロイターも移動制限に対する駐在員の不満を報じている。フォックスの地元メディアが上海の外国人950人に対して行った調査では、48%が1年以内に上海を離れるとし、37%がコロナ流行が終わるまで待って判断すると回答したと報じている。

[中国] 4月25日、国務院弁公庁は「消費の潜在力を更に解き放ち消費の持続的回復を促進することに関する意見」を公布した。企業の救済強化、消費財の供給・価格の安定、消費の質的向上、公共消費増加など20項目の措置が列挙されているが、「消費を制限する障害を取り除く」では、「自動車などの大口消費を安定的に増やすため、各地方は自動車購入規制を新たに設けてはならず、既に規制を実施している地方は増加枠の数量を段階的に増やすなど、地方の状況に応じて規制を徐々に撤廃し、購入規制から使用管理に転換せよ」としている。地方政府の対応が注目される。

[ロシア] 欧米による制裁の影響で政府の支持率が急低下する恐れがあることから、政府は今年の9月に予定されている知事選挙を延期またはキャンセルする可能性があるとみられている。プーチン大統領は、2004年にも「テロ攻撃の脅威に対抗するための地方政府の強化」と称し、同様に知事選挙を廃止し、任命制を導入したことがある。

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