デイリー・アップデート

2019年1月9日 (水)

[米国/トルコ] イスラエルに続いてトルコを訪問したボルトン米大統領補佐官は、カルン・トルコ大統領報道官と会談。先月トランプ米大統領が発表した米軍のシリア北東部からの撤退について、同地のクルド勢力が守られることを条件として明示したが、これにトルコ側が強く反発。その後予定されていたエルドアン大統領との面会はキャンセルされ、ボルトン補佐官はトルコを出国。エルドアン大統領は、米国がシリア北東部のクルド勢力支援を停止するよう、再度呼びかけた。

[日/米/EU] 1月9日、ワシントンにて日米EU三極貿易担当相会合が開催される。中国を念頭にWTOルールの執行のあり方や紛争処理手続きなどが議題として取り上げられる予定。同会合に並行して、日米、日EU等の二国間協議も行われる。日米、米EU間の二国間通商交渉は、早ければ今月末以降、正式に開始することが可能。

[世界] 2月8日、世界銀行は「世界経済見通し(GEP)」で、2019年の世界の実質GDP成長率を2018年6月予測から0.1%ポイント下方修正し2.9%と予測。下方修正の主な理由は貿易摩擦と世界貿易の減速。2018年から2019年の米国と中国の実質GDP成長率は、それぞれ2.9%から2.5%、6.5%から6.2%に減速する見通し。

[ドイツ] 11月のドイツの鉱工業生産指数は前月比▲1.9%となり、3か月連続の低下となった。エネルギーや建設などのセクターを中心に減産が広がっている。財別では資本財も減産しており、企業が設備投資に慎重な姿勢に傾きつつあるようだ。先日公表された製造業受注も弱い内容であり、2018年第4四半期もマイナス成長となる恐れがある。仮にそうなれば、2四半期連続のマイナスとなり、ドイツが「テクニカル・リセッション」の状況に陥りうる。欧州経済の不安定さが高まりそうな情勢だ。

[ユーロ圏] ユーロ圏製造業PMIは、11月の51.8から12月の51.4に低下した。オランダとイタリア以外、ユーロ圏の主な国のPMIが低下した。2018年12月のPMIは2016年2月以来の低水準にとどまっている。また、11月から続いている「黄色いベスト運動」のため、フランスのPMIは11月の50.8から12月には好不況の境目とされる50を割り込んで49.7に低下した。現在、フランスとイタリアのPMIは50以下の水準にとどまっている。

[ブラジル] 2018年12月半ば時点で年間累計輸出額は2,300億ドルを記録、540億ドルの貿易黒字を積み上げており、4年連続の貿易黒字達成を確実なものとしている。しかし、輸出品目は低付加価値なコモディティ品目に、また、輸出業者は少数の大企業に、それぞれ集中してしまっている。

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