デイリー・アップデート

2022年8月16日 (火)

[中国] 8月15日、中国国家統計局は7月の主要経済指標を発表した。小売売上高は、前年同月比+2.7%と前月(+3.1%)から伸びが鈍化。ゼロコロナ政策が続く中、景気の先行き懸念から消費マインドが低迷した。鉱工業生産は、前年同月比+3.8%、6月の同+3.9%から伸びがやや鈍化したが、ゼロコロナ政策後回復は続いている。1-7月の固定資産投資は、前年同期比+5.7%増。1-6月は同+6.1%。不動産投資が同▲6.4%と1-6月の同▲5.4%から悪化。不動産セクターの低迷は経済回復の足かせになっている。

[ケニア] 8月9日に行われた大統領選挙の全国集計が終了し、ウィリアム・ルト副大統領が50.49%の票を獲得し、ケニアの次期大統領に指名された。野党指導者のレイラ・オディンガ氏の得票は48.85%と僅差であり、野党は最高裁まで選挙結果を争う可能性がある。選挙後も債券市場は売られており、金融市場は落ち着きを取り戻せていない。

[中国] 8月12日、人民銀行が発表した7月の金融統計によると、同月の人民元建て融資は前月末より6,790億元増加した。これは、前年同月比で▲37%、4,042億元の減少、6月の2.81兆元増から3/4以上の減少に相当する。エコノミストは、7月の新規融資が低調だった原因について、6月の「当座貸越」効果、季節的要因の他、実体経済の融資需要が依然として弱いとした。「財新網」は、個人向け融資が足かせだったとし、安信証券は、不動産販売の低迷が個人の中長期融資を減少させ、不動産企業のキャッシュフローをひっ迫させると指摘した。

[中国] 中国共産党機関紙『求是』の第16号(8/15刊行)に、習近平総書記が2021年1月の中央政治局第27回集団学習会で行った演説が掲載された。この演説には「共同富裕」が13回登場し、習氏は「現代化を実現してから共同富裕の問題を解決するのではなく、現代化を実現する過程で継続的かつ段階的に取り組まなければならない」と述べている。この演説後、「共同富裕」に沿った政策が次々と打ち出されたものの、その後の経済失速を受けて「共同富裕」は強調されなくなった。しかし、この方針が決してなくなったわけではないことが改めて示された。

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