デイリー・アップデート

2022年8月19日 (金)

[フィリピン] 8月18日、中央銀行は金融政策決定会合を開催し、政策金利である翌日物借入金利(RRP)を0.50%ポイント引き上げ、年3.75%にした。19日から適用する。3会合連続の利上げ。国内経済が回復基調にあるためインフレ抑制を優先し追加利上げに踏み切った。7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.4%(前月同+6.1%)と、伸びが3年9カ月ぶりの高水準になっており中銀のインフレ目標である+2.0~4.0%を大幅に上回っている。

[日本] 総務省『消費者物価指数』によると、7月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+2.6%となり、4か月連続で2%を上回った。生鮮食品を除く総合(コア指数)も+2.4%となり、6月の+2.2%から上昇幅を拡大させた。また、生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア指数)は+1.2%と4か月連続でプラス、2か月連続で1%超となった。日本でも、物価上昇のすそ野が広がりつつある。

[コロンビア] 第2四半期の実質GDPは前期比1.5%増となった。年間では7%程度の成長が見込まれてリ、南米では最もパフォーマンスが高くなる見込み。民間消費、総資本形成、政府消費など内需が好調な一方、外需は輸入の増加と輸出の減少により、のマイナス寄与となった。

[ウクライナ/ロシア/トルコ] 8月18日、ゼレンスキー大統領は、西部リビウを訪れている国連のグテーレス事務総長、トルコのエルドアン大統領と会談した。ロシアとの停戦交渉についてゼレンスキー大統領は、「ロシア軍がウクライナから撤退しない限り、和平の可能性はない」と断言した。

[中国] 揚子江航路局は、揚子江の水位が大幅に低下したため揚子江航路幹線の安慶吉陽磯から岳陽城陵磯区間の航路の閉鎖を発表、財新網は、8月19日、これが揚子江中流における海・川の直航ルートが断たれたことを意味すると報じた。閉鎖された航路の区間の中には武漢があるが、今後の貨物輸送は、より喫水の浅い内陸河川船やバージに積み替えるなど高コストで時間がかかり、非効率な輸送を強いられる。本年4月、武漢と国内外の港との直航船は117往復運航され、7月のコンテナ取扱量24.22万TEUの大部分も直航船によるものだった。影響が大きいと見られる。

[英国/中国] 英国のクワーテン大臣(ビジネス・エネルギー・産業戦略)は、ブリストルに本社を置くパルシック社(Pulsic Ltd.)のスーパーオレンジ香港ホールディング社による買収について、国家安全リスクの観点から阻止すると発表した。2022年1月から英国で「国家安全保障・投資法」が施行され、中国企業による技術獲得に厳しい目が向けられるようになっている。現在、中国企業傘下のネクスペリアによる英半導体メーカーのニューポート・ウエハー・ファブ買収についても再調査が行われており、9月に決定が下される予定になっている。

[トルコ] 8月18日、トルコ中央銀行は主要政策金利を1%ポイント下げて13%とすることを発表した。世界的なエネルギー価格や商品価格の上昇で、トルコでも7月のインフレ率が24年ぶりの高水準となる+79.6%を記録し、各国がインフレ抑制のための利上げに動く中、トルコは経済活動を優先するとして利下げを実施した。大半のエコノミストが金利据置きを予想していた中での利下げは予想外で、通貨リラは対ドルで約1%下げて$1=18.1リラを割り込み、年初来安値を更新した。

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