デイリー・アップデート

2022年8月24日 (水)

[トルコ/パレスチナ] 8月23日、パレスチナ自治政府のアッバース大統領はトルコを訪問し、首都アンカラの大統領宮殿でエルドアン大統領との会談を行った。トルコは8月17日に、パレスチナ自治区の占領を続けるイスラエルとの外交関係正常化を発表したばかり。エルドアン大統領は、イスラエルとの関係正常化はパレスチナへの支持を犠牲にするものではなく、パレスチナ問題の解決に資するものであると発言。アッバース大統領は、トルコ政府がパレスチナを継続的に支援してくれていることに謝意を表明した。

[米国] 2016年から2020年まで駐ミャンマー米国大使に在任していたスコット・マルシエル元大使がミャンマー軍政に対するミャンマー国民の抵抗運動拡大を支援するための10項目の提言を盛り込んだ寄稿を米国平和研究所(USIP)の公式サイト上に行った。マルシエル元大使は、「ミャンマー国軍によるクーデター発生後の昨年4月にASEANが発表した『5項目コンセンサス』はもはや死に体である」として、ミャンマー軍政の資金源等を標的にした制裁発動等からなる提言を行っている。

[インドネシア] 8月23日、中央銀行は金融政策決定会合を開催し政策金利である7日物リバースレポ金利を0.25ポイント引き上げて3.75%にすると発表した。利上げは2018年11月以来3年9カ月ぶり。燃料価格高騰に伴うインフレの予防措置。また、利上げにより為替の安定化を図る。中銀のペリー総裁は18日の会見で、当面は利上げする必要はないと言及していたが、一転し利上げとなった。市場関係者も見送りとの見方が優勢だった。

[エチオピア] エチオピアの政府とティグライとの紛争が再拡大するリスクが高まっている。ティグライ人民解放戦線(TPLF)の軍指導部は、連邦政府に関連した部隊から攻撃を受けたと主張し、政府もTPLFが軍事増強していると非難している。アフリカ連合も和平プロセスを進められておらず、何らかのかたちで戦闘が再開される可能性が出てきた。

[中国] 華為技術(ファーウェイ)創業者の任正非氏は、8月22日の社内フォーラムで発表した文章の中で、「将来への楽観的な期待を調整し、2023年、あるいは2025年まで、危機を乗り切るためのサバイバル・モードを採用しなければならない」と述べた。また、世界経済の衰退と消費能力の低下という状況に直面する中、ファーウェイは規模の追求から利益とキャッシュフローの追求に経営方針を転換しなければならないとし、限界的な事業は撤退か縮小を行い、本社の仕事を減らして資源を節約し、最前線のチームを強化するとしている。

[マレーシア] 8月23日、連邦裁判所(最高裁)がナジブ元首相の1MDBからの資金流用を理由とする背任罪等の二審の有罪判決(禁錮12年および2億1,000万リンギットの罰金刑)への控訴を棄却し、同判決が確定した。ナジブ元首相は即日収監された。同国で首相経験者の有罪判決が確定し、収監されるのは初めて。来年9月までに実施予定の次期総選挙出馬はほぼ不可能となった。ナジブ元首相に近いUMNOのザヒド総裁らについても汚職容疑で裁判が行われており、近い将来判決が言い渡される見通し。

[ウクライナ] 8月23日、ゼレンスキー政権はクリミア半島の奪還を目指す、昨年立ち上げた国際会議「クリミア・プラトフォーム」の第2回会合をオンラインとオフラインを組み合わせた形式で開催した。この会議には約60の国および国際機関の代表や、岸田文雄首相ら40人近くの各国首脳が出席した。ロシアとの停戦交渉についてゼレンスキー大統領は記者会見で「われわれに停戦の用意はない」とも明言し、紛争解決は一段と困難な様相を呈している。

[中国] 国家電網と南方電網は、それぞれ非営利性の特別目的子会社を設立し、債券発行などによる資金調達を行い、未払いが嵩む再生可能エネルギー(再エネ)補助金の支給に対応する。澎湃新聞が8月21日報じた。南方電網は、広州再エネ発展決済サービス有限公司を設立済み。財新網によると、未払い累積分は約4,000億元(約8兆円)、2021年の必要な補助金約1,500億元に対し、原資となる再エネ電力価格付加金は約900億元で、約600億元の赤字が生じているという。一方で補助金対象案件の精査が行われ、支給対象から外される案件も出てきている。

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