デイリー・アップデート

2019年3月1日 (金)

[米国/北朝鮮] 2月28日、米朝首脳会談は2日目を迎えたが、午前中の首脳同士1対1の会談と拡大会議のみで終了。当初予定されていた昼食会も、合意文書への署名も行われなかった。トランプ大統領は記者会見にて、制裁解除のあり方をめぐって両国の溝を埋められなかったと説明。北朝鮮が核兵器、ミサイルの実験停止継続を約したとも述べた。

[商品] 2月は世界経済成長の鈍化を示す指標の発表が相次いだが、米中通商協議進展・米FRBの資産縮減策の早期終了への期待、個別需給要因等を背景に、原油・鉱業金属の価格は軒並み上昇。ただし鉄鉱石はVale事故後の急騰に需要が追い付けず2月後半に反落、中国の石炭輸入制限の観測で高品質炭も軟調、LNGは中国の燃料転換に伴う輸入増加でも供給過剰によりアジアのスポット価格は17か月ぶり安値。小麦は輸出国間の競合激化でシカゴ先物は2月後半に下げが拡大。

[イスラエル] マンデルブリット検事総長は、ネタニヤフ首相に対する3件の汚職疑惑による起訴の方針を固めた(収賄、詐欺、背任の容疑)。今後ネタニヤフ首相に対するヒアリングなどが行われるため、実際に起訴されるかどうかの判断は数か月~1年後になると思われる。同首相は、「左派による政治的魔女狩りだ」として一切の疑惑を否定しているが、同氏が優勢と見られていた4月9日の総選挙結果に大きな影響を与えるものと思われる。

[セネガル] 2月24日に行われた大統領選の第1回投票で、現職のサル氏が勝利宣言を行っていたが、28日に発表された暫定開票結果の得票率が58.27%で、同氏の再選がほぼ確定した。対立候補のセク元首相は20.5%。セネガルは1960年の独立以来クーデターが起きていないため、”アフリカ民主主義のモデル”として名高い。

[インド/パキスタン] 2月28日、パキスタンのカーン首相は、パキスタンによるインド空軍機の撃墜により捕虜になっていたインド空軍のパイロットを3月1日に解放すると発表。同首相はインドに対し対話による解決を呼びかけている。一方、インドのモディ首相は公式な回答をしておらず、同日のBJP党員とのビデオ会議では、パキスタンへの言及はなかったものの、「インドは一体となって戦い、働き、勝つ」と強い姿勢をアピールした。

[米国] 2018年第4四半期のGDP成長率は、前期比年率+2.6%となった。雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費が底堅く推移し、成長に貢献した。また、住宅投資は住宅価格や金利上昇を背景に下押し要因になった一方で、民間企業設備投資はプラス寄与になり、成長率を押し上げた。前期(+3.4%)から減速も、在庫を除いてみれば加速しており、内容は必ずしも悪いものではない。2019年には減税効果の剥落などが予想される一方で、2020年に大統領選を控えていることもあって、上振れ・下振れ予測の双方がある。

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