デイリー・アップデート

2019年10月7日 (月)

[米国] 9月の米雇用統計(米労働省)によると、非農業部門雇用者数は前月から13.6万人増加(3か月移動平均では15.7万人増加)となった。失業率は3.5%と前月から0.2%ポイント低下し、1969年12月以来、約50年ぶりの低水準になった。一方で、平均時給上昇率は前年同月比+2.9%と1年2か月ぶりに3%台を下回った。事前に市場が想定していたほど、公表された結果は悪くないとの評価だったもよう。

[アルゼンチン] 8月の鉱工業生産は前年比▲6.4%で7月から下落率が著しく加速し、前月比では▲2.8%で7月から反落した。車両組立を筆頭に、その他輸送機器、機械及び装置、衣料、タバコ製品、金属製品などで特に大きな下落が見られ、他の多くのカテゴリーも軒並み下落した。一方、コンピューター及び電子機器、ガラス及びガラス製品、農薬、油料種子粉砕、乳製品、加工鶏肉などのサブカテゴリーでは拡大が見られた。建設活動は前年比▲5.9%、前月比+0.4%、建設許可は前年比で(7月の+21.4%から)+4.1%と急減速。

[ポルトガル] 10月6日、総選挙の投開票が行われた。暫定開票結果によれば、現職のコスタ首相率いる中道左派の社会党(PS)が得票率を2015年の32.3%から36.65%に伸ばして大勝した。一方で、中道右派の社会民主党(PSD)は2015年の36.8%から27.9%に後退した。

[韓国] 企画財政部の発表では、本年2Qの韓国からの海外直接投資額が前年同期比13.3%増の150.1億ドルで過去最高を記録、1Qの141.1憶ドルに続き2期連続で記録を更新。2Qの業種別では、製造業が57.5億ドル(全体の38.3%)と最大、国内での最低賃金の引き上げや経営経費増の影響が反映されたとみられている。増加率では、金融・保険業が52.2億ドル、前年同期比35.2%増に達し、国内で投資先のない流動資金が先進国ファンドに投資されたと見られている。国内投資は5四半期連続で、前年同期比減少。

[インド] 10月4日、インド準備銀行(RBI)は政策金利(レポ金利)を0.25%ポイント引き下げて5.15%とした。利下げは5会合連続。2019年度(19年4月-20年3月)の実質GDP成長率の見通しは+6.9%から+6.1%に下方修正。インドの経済成長は急減速しており、8月下旬から打ち出している景気対策とあわせ、金融緩和により個人消費や企業の投資を促そうとしている。12月3日~5日に予定される次回会合でも追加利下げに踏み切る可能性がある。

[イラク] 10月1日から始まった大規模なデモは、6日連続で首都バグダッドを中心にイラク各地で継続的に発生しており、死者は既に100人を超え、負傷者は6千人を超えていると内務省が発表。改善されない劣悪な公共サービス(水・電気)に加え、増大する若者層の雇用問題や政治家の汚職に対する若者の怒りに火が付いている。10月6日にアブドゥルマハディー内閣は17項目の改革案を発表したが、国民の怒りは収まっておらず、今後の展開に注目が必要。

[米国] 全米自動車労組(UAW)がGM社に対して起こした全面ストライキは4週目に突入する見込み。残された最大の対立点は、新規被雇用者の昇給ペースであるとWSJ紙は報道。GMの30を超える工場を巻き込んでの長期ストライキによって、5000万~1億ドル/日の損失が同社に生じていると見られており、すでに10億ドルの損害を被ったとの見積もりもある。

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