デイリー・アップデート

2020年7月2日 (木)

[米国] 米供給管理協会(ISM)によると、6月の製造業総合景況感指数(PMI)は52.6となり、前月から+9.5pt上昇した。好不況の境目とされる50を4か月ぶりに上回った。経済活動が再開し始めているため、経済を需要がけん引する局面に入っており、製造業の景況感も上向いている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大がさらに広がっていることから、経済活動が再び制限されている地域もあり、先行きには引き続き不透明感が漂っている。

[インドネシア] 6月22日、世界銀行はインドネシアの「公共支出レビュー」報告書を発表。同報告書によると、2018年のインドネシア政府の財政収入の対GDP比は14.6%で、他の新興国の平均27.8%より圧倒的に少ない。また、税収の対GDP比も10.2%と新興国の中でも最低水準である。一般政府の支出は16.6%と他の新興国の平均である約32%の約半分になっている。

[米/中] 中国最大のサーバー・ベンダーである浪潮集団(Inspur)が、米インテルから製品の供給を止められていることが明らかになった。インテルによると、関連の米国法に適応するまでの暫定的措置であり、約2週間後には供給再開の予定。浪潮集団は、6月25日に米国防省が「中国政府や軍の関連企業」として発表した中国企業20社のリストに含まれている。同リストへの掲載の影響は不確実だが、将来的に米国の制裁対象となったり、企業のリスク評価に影響が出たりする可能性がある。浪潮集団はインテル部品の供給停止について2週間程度であれば問題ないとしている。

[米国] 7月1日、米下院外交委員会は「一国二制度の終焉か?中国政府の香港国家安全維持法の影響」と題する公聴会を開催した。ペロシ下院議長も同公聴会に出席し、「香港国家安全維持法」について「一国二制度」の下での合意に違反する形で香港住民の権利を否定する全面的取り組みで、香港住民に対して約束されていた自由の破壊が目的であり、香港住民に対する「残忍かつ徹底的な弾圧」と厳しい中国非難を展開。米議会の対中感情の悪化を反映している。

[ロシア] 7月1日に実施された憲法改正法案の賛否を問う全国投票は即日開票され、賛成が7割を超え、改憲法案の成立が確実になった。改憲により2024年に予定される次期大統領選へのプーチン大統領の5選出馬が可能になる。プーチン体制の長期化に向けて、国民の「信任」を得た形だ。

[フランス] 6月28日に実施された統一地方選挙での敗退を受け、マクロン大統領が来週7月8日に行われる閣僚会合までに内閣改造を行うという観測が高まっている。環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)」が主要都市で躍進したことから、マクロン大統領は環境に配慮した政策を打ち出していく方針を発表。

[中国] 7月1日実施された国務院常務会議で、地方政府が発行する特別目的債を使い中小銀行の資本金を補充することを許可する決定が下された。総額2,000億元、中小銀行側が発行する転換社債を地方政府が購入する方式が取られる見込み。目的は、中小銀行の中小零細企業に対するサービス能力を強化させ、雇用の維持を支援すること、中小銀行側の内部統制強化、地方政府にその地方の責任をしっかりと負わせること、など。昨年発生した地方銀行の破綻も本政策の背景にあると思われる。

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