デイリー・アップデート

2020年7月28日 (火)

[ドイツ] Ifo経済研究所の景況感指数は7月に90.5と、前月(86.3)から上昇した。4月を底に3か月連続の上昇となった。今月の特徴は、コロナ以前に比べて低水準ながらも、現状指数が84.5まで回復してきたように、経済活動の段階的な再開を反映して、企業活動の回復という実体が伴いつつあることだ。その一方で、輸出が経済のけん引役であるドイツでは、外需の動向に不透明感が強いこともあり、雇用回復が遅れる見込みであることが懸念材料になっている。

[フィリピン/中国] 7月27日、ドゥテルテ大統領は、マニラで施政方針演説を行い、「中国の習近平国家主席に、新型コロナウイルスのワクチンができたら最初に譲ってほしいと要請した」ことを明らかにし、南シナ海での中国との係争については「我々が主張している領域を中国も主張している。中国には武器があり、我々にはない。つまり、中国がそれを所有している」と述べた。また、米軍が再びフィリピンに基地を設置することに否定的な考えを示した。2月にドゥテルテ氏は米国との「訪問軍地位協定(VFA)」を破棄する意向を一方的に通告したが、先月それを保留すると撤回している。

[イスラエル] 7月27日、イスラエルとレバノンの国境地帯で軍事衝突が発生した。イスラエル側報道によると、現在イスラエルが占領している両国の係争地(シェバア農場)にヒズブッラーの兵士数人がレバノン側から侵入してきたので応戦したとのこと。その後イスラエル軍はレバノン領地へロケット砲を発射した。ヒズブッラー側は報道を否定している。1週間前の20日には、イスラエルによるとみられるシリア・ダマスカス近郊への空爆でヒズブッラーの兵士1人を含む5人が殺害されており、ヒズブッラーは報復を宣言していた。

[米国] 7月27日、上院共和党は経済対策法案を公表。総額1兆ドル規模、失業手当の削減、COVID-19感染をめぐる企業・学校等の免責規定、直接支払いや中小企業融資プログラムの継続などを含む。失業手当については、増額分として支給されてきた600ドル/週を200ドルまで削減することを提案。野党民主党はこれに反発。既に5月に3兆ドル規模の経済対策案を下院で可決している。共和党内でも意見調整に手間取り、当該法案の公表が1週間遅れた。

[米国] ホワイトハウスでトランプ大統領の傍らに寄り添って国家安全保障政策について助言を行っているオブライエン大統領補佐官が新型コロナ検査で陽性反応を示し、現在、自主隔離して職務を遂行していることをホワイトハウスが本日(米国時間7月27日)発表。オブライエン大統領補佐官のケースはトランプ政権の公職者としては最も高位の人物の感染例となり、トランプ大統領周辺にも感染リスクが存在していることが改めて判明した。

[ウクライナ] ウクライナ東部で2014年から続く政府軍と親ロシア派武装勢力による紛争を巡り、ウクライナ・ロシア両国などが合意した完全停戦が7月27日に発効した。親ロ派武装勢力と政府軍はいずれも、27日までにそれぞれの部隊に「完全停戦」を命じ、それに違反すれば厳しい処罰が科されるとの措置も発表した。停戦合意はこれまでに何度も破られており、長期的な停戦につながるかは不透明だ。今後の和平交渉はなお難航が予想される。

[英国/スペイン] 7月25日に、英政府がスペインからの帰国者に対して14日間の自主隔離を義務付けることを突然発表。予告がなかったこと、適用開始が翌26日だったことなどから混乱が発生。ラーブ外相は「速やかな判断が必要だった」として「政府は謝罪できない」と主張。スペインのサンチェス首相は、イギリス政府の判断は間違っているとし、交渉を続けるとコメントしている。

[中国] 7月23日夜、中国石油(CNPC)と中国石化(Sinopec)は、各社が保有する主な石油・天然ガスのパイプライン、一部貯蔵施設、LNG受入ターミナル、石油製品のパイプラインなどの資産を国家石油天然気管網集団有限公司(Pipe China)に売却し、同社の一部株式や現金の対価を得る契約を締結した旨、公告した。これにより、石油・ガスなどの国内輸送手段がCNPC/Sinopecなどの独占から離れ、供給側の新規参入が促されると共に輸送手段の共同利用により需要者のコスト低減も期待される。

[ミャンマー] ミャンマー投資委員会(MIC)は、6月の海外直接投資(FDI)認可額(ティラワ経済特区=SEZを除く)が前年同月比65%減の2億3,198万ドルと大幅に落ち込み、マイナス幅は2019年度(2019年10月~2020年9月)中で最大になったと発表。6月までの2019年度9か月間の累計額は前年同期比37%増の43億3,602万ドル。FDI認可額の2019年度目標は58億ドル。

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